2019の倒産件数は8354件、2年ぶりの前年比増加

 帝国データバンクが14日に発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、昨年2019年の倒産件数は8354件で、前年(8063件)比は3.6%の増加となり、2年ぶりに前年を上回った。業種別では、7業種中、小売業や製造業など6業種で前年を上回った。また、地域別では、9地域中、東北や関東、四国などの7地域で、前年に比べ増加した。

 一方、負債総額は1兆4135億8500万円(前年1兆6255億5200万円、前年比▲13.0%減)と最小だった前年をさらに下回り、比較可能な2000年以降で最小となった。月別では、12ヵ月中6ヵ月で前年同月を下回った。負債トップは、パナソニック(株)の連結子会社で、ブラウン管の映像ディスプレイ装置などを製造していたMT映像ディスプレイ(株)(大阪府、特別清算、2月)の約1050億円だった。

 倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年を上回った。このうち小売業(1945件)は、人件費の上昇や個人消費の低迷が影響し、前年比7.0%増と件数全体を押し上げた。なかでも飲食店(732件)は過去最多の件数となった。製造業(952件、同2.7%増)は、原材料費の高騰などの影響でパルプ・紙・紙加工品製造業(24件、同71.4%増)や繊維製品製造(78件、同52.9%増)などが増加し、2009年以来10年ぶりの増加に転じた。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は5163件(前年比3.8%増)となった。構成比は11年連続で上昇し、比較可能な2000年以降最高の61.8%(同0.1ポイント増)を占めた。負債1億円以上の倒産(2047件、同4.2%増)は10年ぶりの増加に転じた。資本金規模別では、資本金1000万円未満(個人事業主含む)の倒産は5597件(同6.2%増)、構成比は67.0%(同1.6ポイント増)を占めた。

 地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を上回った。東北(403件、前年比14.8%増)は復興需要の落ち着きなどから3年連続の増加で、東日本大震災のあった2011年(446件)以来の400件超となった。関東(2981件、同3.6%増)は7業種中5業種が増加し、建設業や小売業の増加が目立った。四国(180件、同20.8%増)は建設業と製造業が大幅に増加した。

 同倒産状況の概要は↓

http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/19nen.html