消費増税後に支出を『控えた』人は3割強にとどまる

 日本銀行がこのほど発表した「生活意識に関するアンケート調査」(2019年12月調査)結果(有効回答数2107人)によると、消費税率引上げ前に「前倒しで支出した」との回答は約4割(40.8%)となった。前倒しで支出した商品・サービス(複数回答)は、「日用品(洗剤、雑貨等)」との回答が62.4%と最も多く、次いで「家電」(35.2%)、「衣服・履物類」(23.1%)、「食料品」(21.0%)が多かった。

 また、消費税率引上げ後に支出を『控えた』と回答した人の割合は3割台前半(「控えた」11.2%、「支出をやや控えた」21.7%の計32.9%)となった。支出を『控えた』と答えた人に、支出を控えた商品・サービス(複数回答)を聞くと、「外食」との回答が57.8%で最も多く、次いで「衣服・履物類」(51.5%)、「日用品(洗剤、雑貨等)」(41.6%)、「食料品」(38.3%)、「旅行」(28.9%)が多かった。

 消費税率引上げ後に支出を『控えた』人は約33%だったが、前回の2014年の消費増税後の調査(2015年3月)では約60%が『控えた』と回答しており、今回は半分にとどまった。一方で、支出を「特に変えなかった」人は、前回調査の約40%から約64%に増加している。この背景には、キャッシュレズ決済を対象としたポイント還元や軽減税率導入の効果があるものとみられている。

 消費税率引上げ後に支出を『控えた』と答えた人(3割台前半)に、消費税率の引上げがいつ頃まで支出に影響を与えるかを聞くと、「来春以降も影響は続く」との回答が7割台前半(74.0%)となった。また、消費税率引上げ後に支出を『減らさなかった』と答えた人(6割台半ば)のその理由(複数回答)は、「ポイント還元制度の利用」(29.3%)や「軽減税率等により価格が上がらなかったから」(26.9%)が多かった。

 なお、ポイント還元制度が利用可能な店舗等での支出については、「増やした」(13.2%)、「やや増やした」(16.4%)との回答が約3割となり、「増やしていない」との回答は6割台後半(68.2%)となった。

 「生活意識に関するアンケート調査」は↓

http://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2001.pdf