帝国データバンクが14日に発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、昨年12月の倒産件数は708件で、前月比は▲2.2%減少したものの、前年同月比では12.9%の増加となり、4ヵ月連続で前年同月を上回った。業種別では、7業種中、小売業やサービス業など5業種で、また、地域別では、9地域中、東北や関東、近畿などの6地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は1596億2200万円(前月1307億9700万円、前年同月757億3800万円)となり、前月比では22.0%の増加、前年同月比でも110.8%の大幅増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。これは、(株)AWH(旧:(株)淡島ホテル、負債約400億円、破産)や(株)AIコーポレーション(旧:(株)T.F.K、負債約194億6330万円、民事再生)など負債100億円規模の倒産が3件発生したことが要因。
倒産件数を業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。なかでも、小売業(162件、前年同月比20.0%増)は競争激化や消費者の外食離れの影響を受け、飲食料品小売(28件、同12.0%増)や飲食店(64件、同30.6%増)などで増加。サービス業(172件、同15.4%増)は、ソフトウェア業(17件)が前年同月の2.9倍に増加し、業種全体を押し上げた。一方、不動産業(23件、同▲8.0%減)は唯一前年同月を下回った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は420件で、構成比は59.3%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。また、負債1億円以上の倒産(186件)は、前年同月比24.0%の増加となり、件数全体を押し上げた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が449件(前年同月比6.7%増)で構成比は63.4%と高水準で推移した。
地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回った。なかでも、東北(32件、前年同月比88.2%増)は飲食店などの小売業(9件)で増加が目立った。関東(259件、同17.2%増)は、東京都(146件、同29.2%増)で建設業(21件)、製造業(24件)などが大幅増となり、全体を押し上げた。近畿(180件、同11.8%増)は、飲食料品小売(10件)や飲食店(28件)、衣服などの身のまわり品小売(7件)など、小売業を中心に増加した。
同倒産状況の概要は↓