11月の現金給与総額、3ヵ月ぶりの前年同月比減少

 厚生労働省が8日に公表した「毎月勤労統計調査」結果速報によると、従業員5人以上の事業所の昨年11月の一人平均現金給与総額は、前年同月比▲0.2%の28万4652円で3ヵ月ぶりの減少となった。給与総額のうち、基本給に当たる所定内給与は0.2%増の24万6218円で5ヵ月連続の増加、残業代などの所定外給与は▲1.9%の2万304円で3ヵ月連続の減少、賞与など特別に支払われた給与は▲3.9%の1万8130円で2ヵ月連続の減少となった。

 この結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比0.1%増の26万6522円で4ヵ月連続の増加となった。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は0.3%増の36万9813円、パートタイム労働者は▲0.8%の9万9291円。なお、物価の変動分を計算に入れた実質賃金指数(現金給与総額)は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が0.6%上昇し、▲0.9%と2ヵ月連続で減少した。

 また、11月の一人平均総実労働時間は、前年同月比▲3.6%の142.1時間で12ヵ月連続の減少。内訳は、所定内労働時間が▲3.6%の131.4時間で12ヵ月連続の減少、所定外労働時間は▲3.6%の10.7時間で2ヵ月連続の減少。景気との連動性が高い製造業の所定外労働時間(季節調整済指数)は▲2.8%で4ヵ月連続の減少。就業形態別にみると、一般労働者は▲3.4%の169.1時間、パートタイム労働者は▲3.5%の83.5時間となった。

一方、11月の常用労働者数は、前年同月比2.2%増の5124万3千人となり、165ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、正社員などの一般労働者は1.6%増の3508万8千人で75ヵ月連続の増加、パートタイム労働者は3.1%増の1615万5千人で167ヵ月連続の増加。主な産業についてみると、「製造業」は0.8%増、「卸売業、小売業」は1.6%増、「医療、福祉」は2.5%増となった。なお、勤労統計の速報値は、確報で改訂される場合がある。

 同調査においては、本来「500人以上規模の事業所」については全数調査すべきところ、一部抽出調査を行い、かつ抽出調査を行う場合に行う必要がある統計的処理(復元)を2004年から2017年までの間行っていなかった。2018年11月分確報から、掲載する数値を、従来公表してきた値から、2012年以降において東京都の「500人以上規模の事業所」についても復元して再集計した値(再集計値)に変更したので注意が必要だ。

 11月分結果速報の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/0111p/dl/pdf0111p.pdf