矢野経済研究所が発表した「国内の中古住宅買取再販市場に関する調査」結果によると、中古戸建及び中古マンションを不動産会社等の事業者が一旦購入し、リフォーム・リノベーションした後に販売する中古住宅買取再販市場は年々拡大し、2018年の市場規模は成約件数ベースで、3万2500戸と推計した。市場拡大の主な要因は、新築よりも比較的販売価格が割安な中古住宅に対する消費者需要の増加があるとみている。
なかでも、中古住宅買取再販物件は、販売時にはすでにリフォーム・リノベーションが施され、消費者は新築に近い形で入居できるため、好調だ。中古住宅買取再販物件の需要増を背景に、従前からの主力事業者である中小不動産会社のほか、大手デベロッパーなども新規参入し、市場は活性化。都心部でのある程度の規模の住宅開発に適した用地不足が、大手デベロッパーの中古住宅買取再販市場への新規参入を促す要因の一つにもなっている。
また、国の住宅政策の軸足が新築から中古住宅へ移行しつつあるなか、消費者、中古住宅買取再販事業者双方にとって恩恵を受けられる不動産取得に係る税制優遇措置なども市場活性化の追い風になっているものとみている。住宅ローンの低金利が継続するなか、今後、消費者における住宅取得需要は底堅く推移するものとみる。
なかでも、新築と比較して相対的に割安で新築と同等の住まいを実現する中古住宅買取再販物件への需要増は継続するとともに、リフォーム・リノベーションを必要とする築年数の経過した住宅ストック数(既築住宅数)の増加を背景に中古住宅買取再販物件の供給は必然的に増えるものとみている。こうしたなか、2025年の中古住宅買取再販市場規模は成約件数ベースで、2018年比38.5%増の4万5000戸を予測している。