日本政策金融公庫が、三大都市圏の公庫取引先企業を対象に11月中旬に実施した「2020年の中小企業の景況見通し調査」結果(有効回答数534社)によると、2019年の業況判断DI(前年比、「改善」-「悪化」企業割合)の実績は、▲18.1と、前年(11.0)から29.1ポイント低下した。2020年の業況判断DIの見通しは、▲4.1と、2019年から14.0ポイント上昇する見通しとなっている。
2019年の業況が「改善」と判断した要因(3つまで回答)をみると、「国内需要の動向」の割合が75.9%で最も高く、次いで「製・商品の販売価格の動向」(26.5%)、「主要原材料等の仕入価格の動向」(18.1%)の順。一方、「悪化」と判断した要因(3つまで回答)をみると、「国内需要の動向」の割合が78.7%で最も高く、次いで「海外経済の動向」(50.0%)、「主要原材料等の仕入価格の動向」(19.7%)の順となっている。
2020年の売上高DI(前年比、「増加」-「減少」企業割合)は▲0.6と、2019年から17.8ポイント上昇する見通し。経常利益額DI(同)は▲3.7と、2019年から14.8ポイント上昇する見通し。販売価格DI(前年比、「上昇」-「低下」企業割合)は2.8と、2019年から2.5ポイント低下する見通し。仕入価格DI(同)は18.6と、2019年から2.7ポイント低下する見通しとなっている。
2020年の設備投資額DI(前年比、「増加」-「減少」企業割合)は▲8.7と、2019年から8.1ポイント低下する見通し。従業員数DI(同)は6.8と、2019年から2.2ポイント上昇する見通し。資金繰りDI(前年比、「緩和」-「悪化」企業割合)、借入金利DI(前年比、「上昇」-「低下」企業割合)は、2019年より上昇する見通し。貸出態度DI(前年比、「緩和」-「悪化」企業割合)は、2019年より低下する見通しとなっている。
2020年に向けての不安要素(3つまで回答)は、「国内の消費低迷、販売不振」が73.6%と最も高くなり、「人材の不足、育成難」(59.7%)を上回り、1位となった。「海外経済の減速による輸出減少」(28.4%)や「取引先の経営不安、経営破たん」(15.1%)などの割合は、前年調査に比べて上昇している。2020年に注力する分野(3つまで回答)は、「営業・販売力の強化」が66.3%と、これまで同様最も高い割合を占めている。
同調査結果は↓