「長時間・過重労働」の相談が90件で最多~厚労省

 厚生労働省はこのほど、11月の「過重労働解消キャンペーン」の一環として10月27日(日)に実施した「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果をまとめ公表した。それによると、今回の無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」には、合計で269件の相談が寄せられた。相談内容としては、「長時間労働・過重労働」に関するものが90件(33.4%)と最も多かった。

 次いで「賃金不払残業」が69件(25.6%)、「休日・休暇」が31件(11.5%)、「パワーハラスメント」が29件(10.7%)となっている。相談者の属性は、「労働者」が180件(66.9%)で最も多く、次いで「労働者の家族」が53件(19.7%)、「その他」が20件(7.4%)。また、主な事業場の業種は、「商業」と「保健衛生業」がともに32件(11.8%)で最多、次いで「製造業」が28件(10.4%)となっている。

 これらの相談のうち、労働基準関係法令上、問題があると認められる事案については、相談者の希望を確認した上で労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなど、必要な対応を行っている。なお、「過重労働解消相談ダイヤル」では、相談者に労働基準法や関係法令の規定、解釈について説明や、相談者の意向も踏まえ、管轄の労働基準監督署や関係機関を紹介するなどの対応を行ったという

 相談事例をみると、長時間労働・過重労働では、製造業の作業員から「毎日4時間から5時間の残業を行っており、月の残業時間は100時間を超えている。休憩がなく、昼食も取れていない状況で、体重が減り、体調を崩している」、飲食店の店長から「休日がほとんどなく、朝4時頃に自宅を出て翌日の午前2時頃帰宅する生活である。月に1回から2回程度は休日であるが、自宅でずっと寝ており、疲れ切っている」などの相談があった。

 また、賃金不払残業では、派遣業の工場作業員から「タイムカードで労働時間管理を行っているが、実際の労働時間を記録したタイムカードと賃金を計算するためのタイムカードの2種類を使用し、使い分けている。毎月の残業時間は月100時間を超えているが、賃金計算するためのタイムカードは実際の残業時間より低くなっているため、賃金不払残業となっている」などの相談があった。

 この件は↓

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000144103_00004.html