日本政策金融公庫が取引先企業を対象に9月中旬に実施した「小企業の雇用に関する調査」結果(有効回答数6386社)によると、現在の従業員数が最近の営業状況と比べて「不足」と回答した企業割合は39.6%と、前回調査(2018年7~9月期)から1.9ポイント上昇した。上昇は10年連続。従業員過不足DI(「不足」-「過剰」企業割合)は、前回調査から2.4ポイント上昇の32.8と、1992年調査(35.2)以来の高い水準となっている。
従業員過不足DIを業種別にみると、「製造業」(▲6.0ポイント減の24.5)を除く全ての業種で上昇した。今回調査のDIは、「運輸業」が62.8(前年比0.6ポイント増)と最も高く、次いで「建設業」58.6(同5.9ポイント増)、「情報通信業」52.1(同14.2ポイント増)、「飲食店・宿泊業」38.3(同2.9ポイント増)、「サービス業」27.7(同2.1ポイント増)の順となっている。
従業員数が1年前と比べて「増加」と回答した企業割合は10.4%と、前回調査における今後の方針(26.8%)を下回った。今回調査における今後の方針をみると、「増加」と回答した企業割合は26.0%となっている。業種別に今後の方針をみると、「増加」方針企業の割合は「運輸業」が49.6%と最も高く、次いで「情報通信業」(46.8%)、「建設業」(40.8%)の順となっている。
人手不足の影響については、「人手が足りず、需要の増加に対応できない」と回答した企業割合が44.4%と最も高く、次いで「人手を確保するために賃金を上げている」(40.6%)、「人手が足りず、売上げが減っている」(31.1%)が続いた。人手不足への対応では、「増員(パート・アルバイトを含む)」と回答した企業割合が52.2%と最も高く、次いで「賃金の引上げ」が32.2%、「仕事のプロセス(段取り)の効率化」が26.9%だった。
従業員の給与水準が1年前と比べて「上昇」と回答した企業割合は、34.8%と前回調査から3.0ポイント上昇した。給与水準が上昇した背景をみると、「人材の定着・確保」と回答した企業割合が67.0%と最も高く、次いで「最低賃金の改定」が44.0%、「同業他社の賃金動向」が18.4%となっている。2018年調査と比べると、「最低賃金の改定」(7.1ポイント増)、「同業他社の賃金動向」(2.2ポイント増)などの割合が高くなっている。
同調査結果は↓