経営者の開業時の年齢は、「40歳代」が36.0%と最多、次いで「30歳代」が33.4%と、両年代が開業の担い手となっていることが、日本政策金融公庫が発表した「2019年度新規開業実態調査」結果(有効回答数2137社)で分かった。全体の平均は前年を0.2歳上回る43.5歳と、7年連続で上昇した。調査は、同公庫が2018年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業1年以内の企業を対象に、今年7月時点で実施したもの。
開業者に占める女性の割合は、前年から0.9ポイント低下の19.0%となったが、長期的にみると増加傾向にある。開業業種については、「サービス業」が25.9%で最も多く、次いで「飲食店、宿泊業」(15.6%)、「医療、福祉」(14.7%)、「小売業」(12.8%)などの順で、地域に根差して営業する業種が多い。開業時の平均従業者数は3.6人、調査時点の平均従業者数は4.6人となっており、開業時から1人増えた。
開業費用の分布をみると、「500未満」の割合が40.1%を占めて最も多く、次いで「500万円~1000万円未満」が27.8%、「1000万円~2000万円未満」が20.6%、「2000万円以上」が11.5%となっており、1000万円未満での開業が67.9%と約7割を占める。開業費用の平均値は1055万円、中央値は600万円だった。開業費用の平均値は、2018年度に比べて7万円減少し、1991年度の調査開始以来、最も少なかった。
開業時の資金調達額は平均で1237万円となり、2018年度より45万円減少し、調査開始以来、最も少なかった。資金の調達先に関しては、「金融機関等からの借入」が平均847万円(平均調達額に占める割合は68.4%)、「自己資金」が平均262万円(同21.2%)となっており、両者で全体の約9割を占めている。最近は「自己資金」の割合が減少傾向にあり、今回も前年度より30万円減少した。
また、現在の月商が「100万円未満」の割合は2018年度から1.9ポイント減の40.3%と減少している。予想月商達成率は、「100~125%未満」が25.6%、「125%以上」が31.1%で、半数以上(56.7%)の企業が予想を上回る月商を上げている。現在の売上状況が「増加傾向」である割合は57.1%(前年度58.7%)、採算状況が「黒字基調」の割合は63.5%(同61.3%)となった。
同調査結果の概要は↓