リサーチ総研が消費者による今後1年間の見通し判断を調査した10月の消費者心理調査結果(有効回答数1158人)によると、前回8月は小幅な持ち直しとなった景況感が後退し、景気見通し指数も大きく低下、13年以降で最も低い水準まで悪化している。また、物価「上昇」見通しは2調査連続の減少、高まりつつあった上昇圧力は一服。他方で、失業「不安」見通しは2調査連続のプラス、収入の先行きは「増減」両側で悪化、小幅な後退を示す。
10月の消費者心理はやや悪化が示されており、8月までの膠着した状況から後退が認められる。消費者の景気、雇用、収入、物価等に対する見通しの変化を反映した消費者心理の総合指標ともいうべき生活不安度指数は、10月は128で、前回8月(125)から上昇、僅かに悪化。同指数は18年12月(116)にかけて持ち直しがみられたが、翌2月(126)にかなり上昇、後退に転じ、以降8月まではほぼ横ばいを保ったが、再び悪化を示している。
生活不安度指数のもととなる今後1年間の暮らし向きの見通しは、「良くなる」8.1%、「変わらない」54.8%、「悪くなる」27.3%。先行きの景況感は、「良くなる」7.2%、「変わらない」30.1%、「悪くなる」50.6%。この回答割合を指数化した10月の国内景気見通し指数は32となり、前回8月の44から大きく低下、6月以来2調査ぶりのマイナスとなり、後退している。また、前年同月比でみると8調査連続でマイナス状態にある。
雇用(失業不安)の先行き見通しでは、「不安」と答えた人は59.6%、「不安なし」は37.8%。8月調査と比べると、「不安」はやや増加、2調査連続のプラスで、この3年で最も高い。収入の先行き見通は、「増える」人は13.3%、「変わらない」人は48.4%、「減る」人は29.1%。8月と比べると、「増える」は僅かにマイナス、4月以来3調査ぶりの縮小。これに対して、反対の「減る」は僅かにプラスで、前々回6月と同水準まで拡大している。
物価の先行き見通しでは、「上昇」は68.1%、「変わらない」は18.5%、「下落」は2.7%。8月と比べて、「上昇」は減少、2調査連続のマイナスで、19年2月以来4調査ぶりの6割台となった。一方、「下落」は微増、2調査連続で2%を上回った。また、「変わらない」は2調査連続のプラスで、18年12月とほぼ同水準である。以上、8月まで方向の定まらない状態の続いた消費者心理は、10月は悪化が示され、後退の認められる結果となった。
10月の消費者心理は後退色が強めており、先行き予断を許さない状態に変化している。なお、今後1年間が商品等を購入するのに「良い時」か「悪い時」かについて尋ねた10月の購買態度指数は、8月と比べて、「不動産」(79→78)、「自動車」(80→79)はほぼ横ばいも弱含み、「耐久財」(91→86)は2調査連続の後退、直近で最も高い前年同月から30ポイント余り後退している。
同調査結果は↓