有料で提供されるレジ袋は標準税率10%の対象

 国は、プラスチックごみを削減するため、レジ袋の有料化を小売店に義務付ける方針を示しており、すでに一部のスーパーマーケットなどでは、買い物をした商品を持ち帰るためのレジ袋を有料にしているところもある。ところで、今月10月1日から軽減税率制度が導入され、飲食料品の譲渡は軽減税率8%の対象となるが、レジ袋が有料とされている場合、そのレジ袋には標準税率10%が適用される。

 消費税の軽減税率制度に関する取扱通達よると、飲食料品の販売に際し使用される包装材料や容器が、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであるときは、その包装材料等も含め 軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」に該当する。通常必要なものとは、その飲食料品の販売に付帯するものであり、通常、飲食料品が費消され又はその飲食料品と分離された場合に不要となるようなものが該当する。

 一方で、贈答用の包装など、包装材料等につき別途対価を定めている場合のその包装材料等の譲渡は、「飲食料品の譲渡」には該当しないこととされている。そこで、スーパー等で飲食料品の持ち帰りのために顧客に無償で提供されるレジ袋についても同様に、その販売に付帯して通常必要なものとして使用されるものであると考えられるため、飲食料品の譲渡に含まれることになるといえる。

 ただし、上記のように、そのレジ袋が有料で、飲食料品とは別に対価が定められている場合には、そのレジ袋の譲渡は、飲食料品の譲渡には該当せずに、標準税率10%が適用されることになる。この場合、スーパー等では、飲食料品に係る対価は軽減税率8%の課税売上として計上し、その持ち帰り用に販売した有料のレジ袋に係る対価は、標準税率10%の課税売上として計上することになる。