「タピオカ」関連の企業、半年間でほぼ2倍に急増

 「タピオカ屋さん」が増えている。“インスタ映え”する見た目とモチモチとしたタピオカの食感で若い女性たちの心を掴み、全国各地に展開する専門店には軒並み長蛇の列ができている。東京商工リサーチが保有する企業データベース(約379万社)から、「タピオカ」専業及び関連事業を営む企業を抽出したところ、2019年8月末現在で60社あることが分かった。2019年3月末時点では32社だったが、夏場の半年間でほぼ2倍に急増した。

 60社のうち、49社(構成比81.6%)は2018年以前の設立で、空前の“タピオカブーム”に乗り、新規に会社を興すより、既存企業が業態や扱い品を変更して参入しているのが特徴。  貿易統計(財務省)によると、2019年1~7月の「タピオカ」と「タピオカ代用物」の輸入は約6000トンで、2018年の約3000トンをすでに大幅に上回っている。大手飲食チェーンでもタピオカ関連メニューの提供を始めており、街はタピオカブームで溢れている。

 街を席巻する勢いの「タピオカ屋さん」60社のうち、2019年設立は8社(構成比13.3%)に過ぎない。ただ、設立年別では、2017年が3社、2018年が6社と年々増え、多様なタピオカドリンクを生み出している。「タピオカ屋さん」 60社の本業は、「パンケーキカフェ」、「肉バル」、「助成金コンサルティング」や「売電事業」など、飲食業から電力事業まで様々だ。本業とは別にタピオカブームにあやかる副業的な店舗展開が特徴になっている。

  60社の本社所在地は、「東京都」が25社(構成比41.6%)で最も多く、次いで、「神奈川県」と「大阪府」、「福岡県」が各5社(同8.3%)、「千葉県」4社(同6.6%)、「沖縄県」3社(同5.0%)と続く。中国地方で数年前から「タピオカ屋さん」を運営する企業は、「昨年から来店客数が以前の倍になった」と語るが、「毎年、冬場は売上が落ちるが、今年は夏過ぎから来店客数が落ちている」とブーム終焉の兆しも感じ始めている。

 タピオカブームは景気と微妙に関連がある。第1次ブームは、バブル崩壊の1992年頃、第2次ブームは、リーマン・ショックの2008年頃。いずれも不況に前後してブームが起きている。今回の第3次ブームは、米中の貿易摩擦、英国のEU離脱、国内では消費税増税と重なる。果たして景気を占うブームとなるのか、今後の動きが注目される。ちなみに、タピオカミルクティーは“バブル”ティーとも呼ばれているという。

 この件は↓

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20191008_03.html