帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、9月の倒産件数は687件で、前月比は2.7%の増加、前年同月比でも16.8%の増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。業種別では、7業種中、建設業を始め全ての業種で、また、地域別では、9地域中、近畿や九州、東北などの5地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は1059億1600万円(前月837億2100万円、前年同月1867億6200万円)となり、前月比では26.5%増加したものの、前年同月比では43.3%の減少となり、4ヵ月連続で前年同月を下回った。負債総額は、前年同月に(株)ケフィア事業振興会(負債1001億9462万円)とそのグループの倒産が発生した反動もあり、前年同月比43.3%の大幅減少となった。負債トップは、上海国際(株)(民事再生、東京都)の約200億円。
倒産件数を業種別にみると、7業種中全ての業種で前年同月を上回った。全業種の増加は2009年4月以来、10年5ヵ月ぶり。建設業(120件、前年同月比22.4%増)は、総合工事(55件、同48.6%増)と設備工事(21件、同31.3%増)が前年同月比二ケタ増。製造業(82件、同32.3%増)は、原材料価格の高止まりや設備投資にともなう借入過多などで、金属製品製造や機械製造の増加が目立った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は429件(前年同月比19.8%増)で、構成比は62.4%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が467件(同19.7%増)で構成比は68.0%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、小売業(122件)が構成比28.4%を占め最多、サービス業(111件)が同25.9%で続いた。
地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。近畿(182件、前年同月比51.7%増)は、金型メーカーや繊維製品メーカーの小規模倒産が増え、製造業(24件、同166.7%増)が大幅増。九州(58件、同75.8%増)は、災害復興関連工事の落ち着きなどから、建設業(12件、同300.0%増)の増加が目立った。東北(42件、同75.0%増)は、建設業(10件、同150.0%増)、卸売業(5件、同150.0%増)など5業種で増加した。
同倒産状況の概要は↓