1社当たりの教育研修費用総額は、2018年度は予算額7115万円(前回調査7703万円)、同実績額6221万円(同6733万円)であり、2019年度は予算額7086万円(同8017万円)だったことが、産労総合研究所がこのほど発表した「2019年度教育研修費用の実態調査」結果(有効回答数187社)で分かった。回答企業が毎回異なるため、前回調査と厳密な比較はできないが、2018年度の前回調査と比べ、いずれも4年ぶりに減少している。
従業員1人当たりの教育研修費用は、2018年度の予算額4万297円(前回調査4万5917円)、同実績額3万4607円(同3万8752円)、2019年度予算額3万9841円(同4万7138円)で、予算、実績とも前回調査を下回った。また、2017年度の実績額を自社研修施設の保有状況別にみると、「施設あり」企業は3万8233円、「施設なし」企業は3万931円で、7302円の差があるが、差が1万円を超えていた前回よりは若干縮まった。
各回答企業の2018年度と2019年度予算額を比較した場合の増減状況についてみると、予算額が「増加」が39.1%(前回調査53.0%)、「減少」が40.4%(同29.9%)、「増減なし」は20.5%(17.1%)と、予算が減少した企業が増えた。減少企業が増加企業の割合を超えるのは、2010年度調査以来。また、増加率の平均は30.6%(同24.4%)、減少率の平均は19.9%(同14.9%)で、どちらも前回より高くなっており、額の変動幅が大きくなっている。
各種教育研修の実施状況をみると、「階層別研修」での実施率は、例年どおり「新入社員教育」の実施率が最も高く95.7%、次いで「新入社員フォロー教育」と「初級管理者研修」が同率の77.7%で続く。職種別・目的別研修では、前回と同様「OJT指導員教育」が最多の42.9%、次いで「メンタルヘルス・ハラスメント教育」41.3%、「キャリアデザイン・ライフプラン教育」39.7%、「選抜型幹部候補生教育」35.3%などだった。
キャリア開発研修を「実施している」企業は43.5%で、研修を実施する時期は、「入社時」26.3%、「入社後定期的に実施」86.3%、「昇格時」17.5%、「希望すればいつでも受けられる」1.3%。さらに、入社後定期的に実施している企業の年齢層(3区分)別の割合は、「若手~中堅層(20歳代~34歳)」は86.8%、ミドル層(35歳~50歳代前半」66.2%、「シニア層(50歳代後半以降)」42.6%と、年齢が若い層ほど実施率が高くなっている。
同調査結果は↓