購入者を識別できない従来型酒類自販機は2429台

 未成年者の飲酒防止には購入者の年齢を確かめた上での販売が望まれるが、問題なのは屋外に設置された酒類自動販売機だ。全国小売酒販組合中央会では、1995年に購入者の年齢を識別できない従来型の屋外酒類自販機の撤廃を決議し、その自主的な撤廃を進めてきた。また、国税庁でも、対面販売のみの営業では経営が難しい零細な小売酒販店に対し、購入者の年齢が確認できる改良型の酒類自販機に切り替えるよう指導してきている。

 国税庁がこのほど発表した酒類自販機の設置状況によると、今年4月1日現在の従来型酒類自販機の設置台数は2429台となっており、残存率は、撤廃を決議した直後(1996年3月末)にあった従来型18万5829台のうちの1.3%まで減少した。また、今年4月1日現在残っている従来型機の設置台数のうち、今後撤廃・改良予定、無稼働のものが477台あり、これらを勘案すると従来型機の残存率は1.1%まで減少する。

 国税局管内別に従来型機の地域別残存率をみると、平均を上回っているのは、大阪局の2.1%、広島局の1.5%、名古屋局の1.4%の3局のみで、最低は沖縄事務所の0.0%だった。また、従来型機を撤廃していない主な理由として、「売上が減少する」、「撤廃費用又は(購入者の年齢を確認できるように改良された)改良型機への切換え費用の負担が難しい」、「周辺の酒販店が撤廃していない」などが挙げられているという。

 従来型機については、残存率1.3%まで撤廃が進んでおり、国税庁では、引き続き従来型機の撤去を指導するとともに、やむを得ず設置する場合は購入者の年齢を確認できる改良型機を設置し適切な管理を行うよう指導を徹底する。また、今後、全国小売酒販組合中央会とも連携し、従来型機の撤廃、改良型機への移行、長期的には全ての酒類自販機の撤廃に向けた取組みについて検討を進めていくとしている。

 4月1日現在の酒類自動販売機の設置状況は↓

http://www.nta.go.jp/taxes/sake/miseinen/jihanki2019/01.htm