東京商工リサーチがこのほど発表した「日本の社長50万人が住む『マンションの階数』調査」結果によると、華やかなイメージの社長だが、マンション等に住む社長宅の平均階数は5.35階と意外にも地に足をつけて落ち着いていることが分かった。調査は、同社が保有する企業データベースから、全国約375万社のうち、マンションやアパートなど集合住宅に住み、階数が判明した50万4200人の社長を抽出し、分析したもの。
全国で最も高い平均階数は、「東京都」の6.12階を抑え、「大阪府」が6.82階で堂々のトップ。一方、低階数は、内陸の「長野県」(3.16階)、「山梨県」(3.18階)、「栃木県」(3.21階)などだが、タワーマンションが少ない分、高層階に住む機会が少ないことが最大の要因とみられる。高層階は話題性やステータス性が高く、注目されやすく、また、日々の競争やストレスを、窓外の景色で癒され、英気を養って気分転換する社長が多いのかもしれない。
市区郡別では、ウォーターフロントで再開発が進みタワーマンションが建ち並ぶ勝どきや商業中心地の銀座、日本橋のある「東京都中央区」が13.37階でトップ。2位は「大阪市福島区の」12.49階で、福島駅周辺はオフィスビルとタワーマンションが融合し、梅田にも近い。3位は「大阪市港区」の11.39階で、同区は開発が進みタワーマンションの棟数も多い。東京湾や大阪港などに近いウォーターフロントで平均階数が高かった。
判明した直近の売上高別でみると、売上高10億円未満の社長宅の平均階数は5.56階。一方、10億円以上になると一気に階数は8.21階、100億円以上はさらに8.36階に上昇。大企業の社長が、東京、大阪など大都市に集中していることも関係する。また、業歴10年未満の企業の社長は5.24階と平均を下回り、30年以上となると5.98階と高層階に住む社長が増えた。売上高が10億円以上、業歴が30年以上の社長は、高層階を好むようだ。
産業別の平均階数は、「金融・保険業」が6.72階で最も高かった。特に、「金融業」は東京や大阪など都市部に会社が集中し、タワーマンションに住む社長が多かった。「不動産業」が6.22階で2位。タワーマンションの販売や仲介を手掛ける不動産業の社長も高層階を好んでいるようだ。「建設業」は4.1階と最も低かった。自社で建設した戸建に住むケースも多く、他産業と比較してマンションなどの高層階に住む割合が低いようだ。
同調査結果は↓