地方にも押し寄せる「キャッシュレス化」の波

 キャッシュレス決済については、政府が「2027年までに決済比率40%」を目標に掲げるなど、国をあげての普及施策も進んでいる。ジャパンネット銀行が20~50代の男女を対象に実施した「キャッシュレス決済に関する意識・実態調査」結果によると、普段の買い物や食事におけるキャッシュレス決済の実施は、52%が「よくある」、29%が「たまにある」と回答し、計8割以上が日常的にキャッシュレス決済を行っていることが分かった。

 居住地域別にみると、三大都市(東名阪)の周辺地域=都会エリアでは83%、その他の地域=地方エリアでも79%という結果になり、都会だけでなく、地方においてもキャッシュレス化が進行している様子がうかがえる。一方で、男女別にみると、男性で「よくある」は62%であるのに対して、女性で同じ回答をした人は43%と、20ポイント近くの差が生じている。男性は女性以上にキャッシュレスへの関心度が高い人が多いようだ。

 また、日常的にキャッシュレス決済を行っている人(407名)たちの具体的な決済手段は、日本のキャッシュレス決済比率で圧倒的なシェアを誇る「クレジットカード」(87%)、鉄道やスーパー・コンビニなど、日常生活に直結したものが多い「ICカード」(59%)のほか、スマホを中心としたデジタル機器で決済・支払いができる「スマホ決済サービス」も46%と半数近くにのぼった。スマホの普及とともに、決済手段もデジタル化が進みつつある。

 キャッシュレス決済は、事前にチャージ(入金)して使う「チャージ型(プリペイド式)」と、後から料金が引き落とされる「後払い型(ポストペイ式)」にわかれるが、現在、チャージ型(プリペイド式)のキャッシュレスサービスは、全体の70%が「使用している」と回答。また、1回あたりのチャージ金額は、ICカードのチャージ金額は、1回あたり平均「4919円」という結果になった。

 居住地域によっても違いがみられ、都会エリアでは「4344円」、地方エリアでは「5526円」と、1000円以上の差が生じている。鉄道やバスなどの交通系ICカードが普及している都会では少額をこまめにチャージする人が多く、車社会の地方ではまとめてチャージする人が多い、などの傾向があるのかもしれない。一方、スマホ決済サービスのチャージ金額は、1回あたり平均が「3857円」と、ICカードに比べると低い金額になった。

 同調査結果は↓

https://www.japannetbank.co.jp/company/news2019/pdf/190917.pdf