エン・ジャパンが、運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』上で、サイトを利用している従業員数300名未満の企業を対象に実施した「中小企業の副業・兼業の実態調査」結果(有効回答数402社)によると、中小企業の25%が、「社員の収入増」などを目的に、副業・兼業を認めていることが分かった。ただし、65%の企業は禁止しており、政府が進める副業・兼業の促進はいまだ道半ばといえる。
2018年1月、厚生労働省は副業・兼業について、企業や働く方が現行の法令のもとでどういう事項に留意すべきかをまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成したが、その認知度は、73%が「知っている」(「内容も含めて知っている」22%、「名前だけ知っている」51%)と回答。企業規模別では「100~299名」の72%(同36%、36%)、業種別では「商社」の85%(同22%、63%)がそれぞれ最多だった。
現在の社員への副業・兼業の容認の有無は、25%が「認めている」と回答。企業規模別では「1~9名」(50%)が最多。対して、「10~29名」は19%、「100~299名」は27%など、10名以上の企業では容認度が大きく下回った。業種別では「金融・コンサル」(56%)が最多、次いで「広告・出版・マスコミ」(38%)、「メーカー」(29%)と続く一方、「流通・小売」(7%)や「不動産・建設」(14%)では容認度が低かった。
副業・兼業を容認している理由(複数回答)は、「社員の収入増」(59%)が最多、「社員のモチベーション向上」(29%)が続く。容認条件(複数回答)のトップ3は、「本業に支障が出ない」(88%)、「自社の信用を傷つけない」(70%)、「営業秘密の漏洩リスクがない」(69%)。一方、副業・兼業を禁止している理由(複数回答)は、「本業に専念してもらいたい」(73%)、「社員の過重労働の懸念」(56%)、「社員の健康の懸念」(38%)だった。
副業に対する今後の方針については、容認企業の4割(36%)が「今後も積極的に推進する」と回答。ただし、29%の企業が「認めているが、条件を厳格化しようか検討中」としている。また、禁止企業のうち、39%の企業が「これから導入を検討する」と回答する一方、「今後も認める予定はない」とする企業は43%となっている。
同調査結果は↓