経済産業省がこのほど公表したキャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元制度)の準備状況によると、加盟店登録申請は43万店を超え、この1ヵ月で倍近くに増加していることが明らかになった。ただし、対象となる店舗は数百万とされており、事業開始が近づくと申込みが急増することが想定される。同省では、中小・小規模事業者に対して、加盟店登録は可能な限り早めに申し込むよう呼びかけている。
ポイント還元事業は、10月1日からの消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点も含め、消費税率引上げ後の9ヵ月間に限り、消費者が中小店等で購入した商品等の代金をクレジットカードや電子マネー、QRコードなどのキャッシュレス決済手段により支払う場合、5%(フランチャイズチェーンの場合は2%)が消費者に還元される制度。
今回公表された準備状況によると、4月からスタートした決済登録事業者数は8月19日時点で775社。一方、5月中旬に始まった事務局への加盟店登録申請は、8月21日時点でEC・通信販売合わせて43万1682件で7月末時点の23万9273件と比べて1ヵ月弱で1.8倍まで増えており、このうち審査を通過した加盟店数は約20万店となっている。業種別にみると、「小売業」が62%、「その他サービス業等」が24%、「飲食業」が15%をそれぞれ占めた。
また、地方別にみると、「関東地方」が13万3934店(構成比31.0%)でほぼ3割を占めて最も多く、以下、「近畿地方」8万3712店(同19.4%)、「中部地方」7万5666店(同17.5%)、「九州地方」4万5595店(同10.6%)、「中国地方」2万6538店(同6.1%)、「東北地方」2万6029店(同6.0%)、「北海道」2万2330店(同5.2%)、「四国地方」1万3691店(同3.2%)、「沖縄県」4187店(同1.0%)となっている。
経産省では、審査体制を増強し、審査の迅速化に取り組んでいるが、決済事業者による各加盟店の必要情報(契約情報や端末情報等)の入力遅れ等により、一部審査に遅れが発生しているという。同省としては、各決済事業者に対して、速やかな対応を要請しているところ。引き続き、中小企業支援団体や金融機関等と連携して本事業の周知・普及に努めるとともに、着実な加盟店登録に取り組んでいく方針だ。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の準備状況等は↓
https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190823004/20190823004.html