国税庁はこのほど、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A」及び「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ&A」を同庁ホームページ上に公表した。いずれも2019年度税制改正における改正内容を始め、資金管理契約の期間中に贈与者が死亡した場合や、資金管理契約終了の取扱いなどを含めた最新の内容が盛り込まれている。
教育資金贈与の特例は、両親や祖父母が30歳未満の子や孫に金融機関を通じて1500万円まで贈与(信託)し、その資金が教育費として使われた場合に贈与税が非課税とされる制度。2019年度税制改正では、2021年3月31日まで2年延長した上で、受贈者の所得制限(1000万円)、教育資金の範囲制限、死亡前3年以内の信託等にかかる管理残額の相続財産への持戻し、学校等に在学している場合等の信託終了日の延長、などの見直しが行われた。
受贈者の所得制限については、2019年4月以降は贈与を受ける子や孫の前年の合計所得金額が1000万円を超える場合は非課税の適用が受けられない。また、2019年7月以降は、教育資金の範囲から、学習塾やピアノ、絵画教室など学校以外に対して支払われる習い事の金銭(500万円が限度)を、子や孫が23歳になって以降は非課税の対象から外す。ただし、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練の受講費用は除外しない。
一方、結婚子育て資金贈与の特例は、両親や祖父母が20歳以上50歳未満の子や孫に金融機関を通じて1000万円まで贈与し、その資金が結婚資金や子育て資金として受贈者が50歳になるまでに使われた場合に贈与税が非課税とされる制度。2019年度税制改正では教育資金贈与の特例と同様に2021年3月31日まで2年延長した上で、受贈者の所得制限(1000万円)が設けられている。
受贈者の所得制限は、2019年4月1日以後に 信託受益権又は金銭等を取得した場合に、受贈者のその取得をした日の属する年の前年分の所得税に係る「合計所得金額 」が1000万円を超えるときは、結婚・子育て資金の特例の適用を受けることができないというもの。したがって、その前年分の合計所得金額が1000万円を超えた場合であっても、その後、合計所得金額が1000万円以下となった年がある場合には、特例を受けることができる。
「教育資金の一括贈与の非課税の特例に関するQ&A」は↓
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/pdf/02.pdf
「結婚・子育て資金の非課税の特例に関するQ&A」は↓
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201504/pdf/04.pdf