東京商工リサーチが発表した「2019年度都道府県別赤字法人率調査」によると、国税庁が2019年2月に公表した「国税庁統計法人税表」(2017年度)では、赤字法人率は66.6%(前年度67.6%)だった。全国の普通法人271万6818社のうち、赤字法人(欠損法人)は181万977社で、赤字法人率は前年度より1.0ポイント改善。2011年度から7年連続で赤字法人率は改善しており、調査を開始した2006年度以降、最低を記録した。
都道府県別では、44都道府県で赤字法人率が前年度より改善。全国の赤字法人率の66.6%を上回ったのは18都府県で、前年度(22都府県)より4県減少した。赤字法人率が最も低かったのは、2年連続で「沖縄」の59.6%(前年度60.3%)。沖縄の主力産業である建設業は公共工事への依存度が高く、赤字決算は公共事業の受注が難しくなることも背景にあるとみられる。また、観光客の増加なども企業業績に寄与した。
次いで、「青森」60.4%(前年度60.8%)、「岩手」62.5%(同61.8%)、「長崎」62.9%(同63.4%)、「山形」63.2%(同64.3%)と続く。赤字率のベスト10(低率)には、九州、東北が目立った。一方、赤字法人率が最も高かったのは、「徳島」の73.6%で11年連続。次いで、「長野」70.7%、「香川」69.9%、「栃木」69.6%と続く。徳島は木工関連や医療法人、福祉関係の赤字法人数が多かった。
都道府県別の赤字法人数は、33道府県で減少。減少率が最も高かったのは、「熊本」で前年度比5.9%減(2万3767→2万2347社)。次いで、「静岡」が同2.0%減(4万9072→4万8058社)、「三重」が同1.8%減(1万9444→1万9093社)、「滋賀」が同1.7%減(1万3452→1万3220社)と続く。一方、増加率では「福島」が同4.26%増(2万3923→2万4944社)、「沖縄」が同4.21%増(1万3560→1万4131社)と続く。
地区別の赤字法人率では、東北を除く8地区で前年度より改善。このうち、赤字法人率が最も低率だったのは「北海道」の63.6%(前年度64.9%)で、前年度より1.3ポイント改善した。次いで、「東北」64.1%、「九州」64.3%、「北陸」64.9%、「近畿」65.9%、「中国」67.0%、「中部」67.5%、「関東」67.6%と続き、「四国」が最も高率の69.4%を示した。
同調査結果は↓