上半期の「人手不足」関連倒産は191件で過去最多

 東京商工リサーチが発表した「2019年上半期(1~6月)の『人手不足』関連倒産調査」結果によると、今年上半期の「人手不足」関連倒産は191件(前年同期比3.2%増)となり、集計を開始した2013年以降、上半期では2018年(185件)の最多記録を塗り替えた。現状ペースで推移すると、2019年(1~12月)の「人手不足」関連倒産は過去最多を塗り替える可能性が出てきた。

 内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が109件(前年同期146件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が47件(同19件)、中核社員の独立、転職などで事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が20件(同10件)、賃金等の人件費アップから収益が悪化した「人件費高騰」型が15件(同10件)。「求人難」型は2.4倍増(前年同期比147.3%増)と、増加率が最大だった。

 今年上半期の産業別では、最多が「サービス業他」の63件(前年同期比26.0%増)次いで、「建設業」33件(同3.1%増)、「製造業」22件(同31.2%減)、「卸売業」19件(同45.7%減)、「運輸業」18件(同100.0%増)、「小売業」17件(同21.4%増)と続く。増加率では、運輸業の前年同期比100.0%増(9→18件)が際立った。また、地区別では、全国9地区のうち「九州」(18→35件)、「近畿」(18→25件)の2地区で前年同期を上回った。

 2019年6月の「人手不足」関連倒産は41件(前年同月比10.8%増)で、今年に入って初めて40件台に達し、最多。内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が24件、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が10件、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が4件、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が3件。

 6月の産業別では、「サービス業他」19件が最多、次いで、「建設業」(同6件)と「製造業」が各5件、「運輸業」4件、「卸売業」3件、「小売業」と「不動産業」が各2件、「情報通信業」が1件と続く。また、地区別では、全国9地区のうち北陸を除く8地区で倒産が発生。内訳は、「関東」の17件を筆頭に、「九州」5件、「近畿」・「中国」・「四国」が各4件、「中部」と「東北」が各3件、「北海道」1件となっている。

 同調査結果は↓

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190708_03.html