6月の倒産734件、2ヵ月ぶりの前年同月比増加

 帝国データバンクが8日に発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は734件で、前月比は13.3%の増加、前年同月比でも3.5%の増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。業種別では、7業種中、建設業や小売業など5業種で、また、地域別では、9地域中、中国や関東などの5地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。

 一方、負債総額は803億7100万円(前月982億8600万円、前年同月1968億6300万円)となり、前月比は18.2.2%の減少、前年同月比でも59.2%の大幅減少となり、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。これは、前年同月に東証1部上場の日本海洋掘削(株)(負債904億7300万円)の倒産が発生した反動によるもの。負債トップは、(株)ラストステージ(旧:(株)エムズ、福島県、特別清算)の約66億9200万円だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。建設業(148件、前年同月比11.3%増)は、設備工事は減少も、職別工事が前年同月比34.6%増。小売業(161件、同6.6%増)は、衣料品小売(25件、同25.0%増)、自動車小売(12件、同100.0%増)などで増加が目立った。一方、サービス業(167件、同5.1%減)、卸売業(84件、同24.3%減)の2業種は前年同月を下回った。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は473件(前年同月比10.0%増)で、構成比は64.4%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が520件(同11.1%増)で構成比は70.8%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(118件)が構成比24.9%(同3.1ポイント減)を占め最多、小売業(116件)が同24.5%(同1.5ポイント減)で続いた。

 地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。中国(42件)は、飲食料品小売などの小売業(19件、前年同月6件)や建設業(9件、同5件)が増加し、前年同月比2倍増。北陸(25件)は、サービス業(10件、同4件)などの増加により、前年同月比66.7%増となった。関東(260件、前年同月比2.8%増)は、東京都の建設業、神奈川県の小売業などが増加し、地域全体を押し上げた。

 同倒産状況の概要は↓

http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1906.html