2018年度精神障害の労災申請は過去最多の1820人

 仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神障害等を発症し、2018年度に労災申請した人は前年度に比べ88人多い1820人となり、過去最多を更新したことが、厚生労働省が発表した2018年度における過労死等の労災補償状況で分かった。業務上の労災として認定された人は、前年度を41人下回る465人となったが、前年度は過去最多だったもので高水準が続いている。うち未遂を含む自殺者は同22人減の76人だった。

 労災申請者について、業種別にみると、「医療・福祉」が320人で最多、次いで、「製造業」302人、「卸売業、小売業」256人の順に多い。職種別にみると、プログラマーなどの「専門的・技術的職業従事者」が457人で最多、次いで、「事務従事者」392人、「サービス職業従事者」231人など。年代別では、「40~49歳」が597人、「30~39歳」が491人と働き盛り世代が目立ち、次いで「20~29歳」が332人で続いた。

 認定を受けた465人の発症の原因をみると、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」69人(うち自殺7人)と「仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった」69人(同14人)が最多、次いで、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」56人(同0人)、心理的負担が極度のものなど「特別な出来事」55人(同4人)、「1ヵ月に80時間以上の時間外労働を行った」45人(同14人)のほか、「セクハラを受けた」(33人)も目立った。

 一方、過労による脳・心臓疾患で労災を請求した人は、前年度に比べ37人多い877人で、4年連続で増加。業務上の労災として認定を受けた人は同15人少ない238人で、2年連続で減少し、うち過労死も同10人少ない82人だった。労災認定者を業種別にみると、「運輸業、郵便業」が94人、「宿泊業、飲食サービス業」が32人、「製造業」が28人、「サービス業(他に分類されない者)」が10人の順に多い。

 また、労災認定者について、職種別にみると、「輸送・機械運転従事者」が88人で最多、次いで「サービス職業従事者」33人、「専門的・技術職業従事者」21人など。年齢別では、「50~59歳」が88人(うち死亡33人)、「40~49歳」が85人(同27人)、「60歳以上」が41人(同14人)など。1ヵ月平均の残業時間は、「80時間以上100時間未満」が88人(同28人)、「100時間以上120時間未満」が54人(同24人)などだった。

 同労災補償状況については↓

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05400.html