5月の倒産648件、2ヵ月ぶりの前年同月比減少

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、5月の倒産件数は648件で、負債1億円未満の小規模クラスの倒産(483件、前年同月比15.4%減)が減ったことなどから、前年同月比では11.4%減少し、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。業種別では、2年10ヵ月ぶりに7業種全てで、また、地域別では9地域中、関東や中部などの5地域で、前年同月に比べそれぞれ減少した。

 一方、負債総額は982億8600万円(前月1046億6400万円、前年同月933億200万円)となり、前月比は6.2%減少したものの、前年同月比では5.3%の増加となり、2ヵ月連続で前年同月を上回った。これは、負債10億円以上の倒産が15件(前年同月13件)発生したことなどが影響したもの。負債トップは、おおぞら管理(株)(福井県、特別清算)の約100億2900万円だった。

 業種別にみると、2016年7月以来、2年10ヵ月ぶりに7業種全てで前年同月を下回った。建設業(103件、前年同月比14.2%減)は、設備工事は増加も、職別工事、総合工事が前年同月比二ケタ減。サービス業(161件)は、広告業(10件)、ソフトウェア業(13件)の減少が目立ち、前年同月比12.0%減となった。小売業(154件)は、衣料品小売(7件)などが減少し、同9.4%減となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は387件(前年同月比16.2%減)で、構成比は59.7%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が430件(同10.2%減)で構成比は66.4%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、小売業(113件)が構成比29.2%を占め最多、サービス業(107件)が同27.6%で続いた。

 地域別にみると、9地域中5地域で前年同月を上回った。関東(216件、前年同月比19.1%減)は、東京都(117件)が前年同月比23.0%減となり、地域全体も二ケタ減。中部(94件、同6.0%減)は、都市部での再開発需要が堅調な愛知県の建設業(6件)が減少傾向で推移していることを受け、6ヵ月連続の減少となった。近畿(171件)は、兵庫県の建設業(3件)などで減少が目立ち、前年同月比14.1%減となった。

 同倒産状況の概要は↓

http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1905.html