19年度に企業の6割強が設備投資を計画~帝国データ

 帝国データバンクがこのほど発表した「2019年度の設備投資に関する企業の意識調査」結果(有効回答数9775社)によると、2019年度(2019年4月~2020年3月)に設備投資を実施する予定(計画)が「ある」企業は62.3%となり、6割強の企業が設備投資の実施を予定していた。内訳は、「すでに実施した」が6.6%、「予定している」が34.1%、「実施を検討中」が21.6%となった。他方、「予定していない」は29.6%だった。

 設備投資の予定(計画)が「ある」企業を規模別にみると、「大企業」が71.1%、「中小企業」が60.1%、「小規模企業」が48.6%。特に「小規模企業」では「大企業」を22.5 ポイント下回っており、企業規模によって設備投資の予定割合に格差がみられた。業界別では、「運輸・倉庫」(76.6%)がトップ、次いで「農・林・水産」(76.1%)、「製造」(72.5%)が7割超で続いた。他方で、「不動産」(43.9%)は唯一4割台にとどまった。

 予定している設備投資の内容(複数回答)は、「設備の代替」が45.5%でトップ、次いで、「既存設備の維持・補修」(33.3%)、「省力化・合理化」(28.7%)、「情報化(IT化)関連」(28.6%)、「増産・販売力増強(国内向け)」(21.9%)が続いた。設備の老朽化や事務機器等のメンテナンス時期にともなう更新需要を中心に、深刻化する人手不足に対する省人化設備への投資や情報化への投資が上位に挙げられた。

 予定している設備投資額は、「1000万円以上5000万円未満」が26.9%で最も高く、以下、「100万円以上500万円未満」(19.6%)、「1億円以上10億円未満」(15.9%)が続いた。設備投資予定額は平均1億3554万円。主な資金調達方法では、「自己資金」が48.4%、以下、「金融機関からの長期の借入れ」(27.9%)、「金融機関からの短期の借入れ」(6.3%)が続いた。「自己資金」と「金融機関からの借り入れ」で全体の82.6%と8割以上を占めた。

 一方、設備投資を「予定していない」企業のその理由(複数回答)は、「先行きが見通せない」(44.4%)、「現状で設備は適正水準」(33.2%)、「投資に見合う収益を確保できない」(20.7%)の順。特に「先行きが見通せない」では、中小企業の46.0%と約半数が回答しており、将来に対する懸念から設備投資を見送る様子がうかがえた。大企業(32.8%)においても、前回調査から5.3 ポイント増加、先行きに不安感を抱く企業が増加した。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190504.pdf