18年1世帯当たり貯蓄現在高は3.3%減の1752万円

 総務省がこのほど公表した家計調査報告(貯蓄・負債編)によると、二人以上の世帯における2018年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1752万円で、前年に比べ60万円、3.3%減と、2年連続の減少となった。このうち勤労者世帯では1320万円で、前年に比べ7万円、0.5%の減少となっている。また、二人以上の世帯の貯蓄保有世帯の中央値は1036万円となっている。

 他方、二人以上の世帯における2018年平均の1世帯当たり負債現在高(平均値)は558万円で、前年に比べ41万円、7.9%の増加。このうち勤労者世帯では821万円で、前年に比べ27万円、3.4%の増加となった。また、二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、貯蓄現在高の平均値(1752 万円)を下回る世帯が約3分の2(67.7%)を占め、貯蓄現在高の低い階級に偏った分布となっている。

 貯蓄の種類別の貯蓄現在高の推移は、通貨性預貯金と金融機関外は増加。通貨性預貯金は460万円で、前年に比べ18万円、4.1%増となり10年連続の増加。 一方、定期性預貯金は657万円で、前年に比べ55 万円、7.7%減となり、4年連続の減少となった。また、二人以上の世帯に占める負債保有世帯の割合は約4割(39.0%)となっている。負債保有世帯では、負債現在高の平均値(1430 万円)を下回る世帯が約6割(56.7%)を占めている。

 二人以上の世帯について、世帯主の年齢階級別に純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)をみると、50歳以上の各年齢階級では貯蓄現在高が負債現在高を上回っており、70歳以上の世帯の純貯蓄額は2145万円と最多。一方、50歳未満の世帯では負債現在高が貯蓄現在高を上回っており、負債超過となっている。負債保有世帯の割合は、40~49歳の世帯が65.4%と最も高く、40歳以上の世帯では年齢階級が高くなるに従って割合が低くなっている。

 二人以上の世帯のうち高齢者世帯(世帯主が60歳以上の世帯)の1世帯当たり貯蓄現在高は2284万円で、貯蓄現在高が2500万円以上の世帯が32.3%を占める。二人以上の世帯のうち高齢無職世帯の1世帯当たり貯蓄現在高は2280万円で、前年に比べ68万円、2.9%の減少。貯蓄の種類別にみると、定期性預貯金は983万円で、前年に比べ73万円、6.9%の減少、「生命保険など」は387万円で、前年に比べ21万円、5.1%の減少となった。

 同家計調査報告の要約は↓

https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2018_yoyaku.pdf