帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、4月の倒産件数は651件で、負債1億円以上の中規模クラスの倒産(178件、前年同月比11.3%増)が増えたことなどから、前年同月比では5.3%増加し、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。業種別では7業種中、建設業やサービス業などの4業種で、また、地域別では9地域中、北海道や北陸などの6地域で、前年同月に比べそれぞれ増加した。
一方、負債総額は1046億6400万円(前月769億2700万円、前年同月827億7000万円)となり、前月比は36.1%増加、前年同月比でも26.5%の増加となり、2ヵ月ぶりに前年同月を上回った。これは、(株)ワイ・ケイ・ジャパン(負債約162億4200万円、東京都、民事再生法)、土高興業(株)(同110億円、高知県、特別清算)の大型倒産が発生したことなどが影響したもの。
業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を上回った。建設業(112件、前年同月比9.8%増)は、職別工事、設備工事は減少も、総合工事(50件、同56.3%増)が前年同月比二ケタ増。また、サービス業(166件、同16.1%増)は、病院のほか、施術所などの医療業(20件、同33.3%増)で増加が目立った。一方、卸売業(86件、同16.5%減)など3業種は前年同月を下回った。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は382件(前年同月比0.3%増)で、構成比は58.7%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が431件(同6.9%増)で構成比は66.2%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、小売業(115件)が構成比30.1%を占め最多、サービス業(114件)が同29.8%で続く。
地域別にみると、9地域中6地域で前年同月を上回った。北海道(17件、前年同月比21.4%増)は、建設業やサービス業などで前年同月を上回り、4ヵ月ぶりの増加。また、北陸(20件)は小売業とサービス業で増加が目立ち、前年同月比81.8%の増加となった。九州(46件、同9.5%増)は、復興工事需要の落ち着きなどで建設業の倒産が反動増の傾向で推移していることなどを背景に、4ヵ月連続で前年同月を上回った。
同倒産状況の概要は↓