有給休暇の取得義務化、4社に1社が義務化に否定的

 2019年4月1日から、10日以上の有給が付与される全ての労働者に対して、毎年5日間、時季を指定して有給を取得させることが企業に義務化された。エン・ジャパンが運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』上でサイトを利用している企業を対象に実施した「有給休暇の取得義務化の実態調査」結果(有効回答数610社)によると、有給休暇の取得義務化には4社に1社が義務化に否定的なことが分かった。

 有給休暇の取得義務化の認知度は、96%が「知っている」(「内容も含めて知っている」63%、「概要を知っている」33%)と回答。有給休暇の取得義務化についての印象は、「良いと思う」が73%(「非常に良いと思う」23%、「まあ良いと思う」50%)、「良くないと思う」が26%(「あまり良いと思わない」21%、「良くないと思う」5%)と、4社に1社が否定的に感じていることが明らかになった。

 現在、自社で有給取得を促進しているかについては、「促進している」が70%だった。取得を促進している業種トップ3は、「金融・コンサル関連」(100%)、「商社」(79%)、「IT・情報処理・インターネット関連」(77%)。一方、取得を促進していないのは、「広告・出版・マスコミ関連」(36%)、「流通・小売関連」(34%)、「不動産・建設関連」(27%)。また、企業規模別では他に比べ、「100~299名」(28%)が目立った。

 有給取得を促進する理由(複数回答)は、「社員の満足度向上のため」(67%)が最多、次いで「社員の健康のため」(58%)が続き、「有給取得の義務化の法に準拠するため」(42%)は3位だった。有給の取得義務化に当たり難しい点や課題(複数回答)は、「人員不足」(65%)、「業務量が人に偏っている」(60%)が上位となり、人手不足や業務過多の状況にある企業は、義務化への対応を不安視しているようだ。

 また、有給休暇の取得義務化への対応方法(複数回答)については、「有給休暇の計画的取得」(83%)、「有給休暇取得のための周知・啓発」(81%)との回答が他の回答を大きく引き離して1・2位となった。以下、「取得の低い社員に対し、個別に休暇取得を促す」(52%)、「トップからの呼びかけ」(35%)、「有給休暇取得率の目標設定」(22%)、「管理職向けの説明会・研修」(14%)などが続いている。

 同調査結果は↓

https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/17179.html