大学発ベンチャー、2018年度は185社増の2278社

 経済産業省がこのほど発表した「2018年度大学発ベンチャー調査」結果によると、2018年度において存在が確認された大学発ベンチャーは2278社と、2017年度の2093社から185社増加した。2017年度調査からの増減は、2018年に新設が98社、2018年以前に新設されていたが、前回調査で把握できなかったものが239社、前回調査後に閉鎖が145社、大学発ベンチャーではなくなった企業が7社。

 大学発ベンチャーを分類すると、大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビズネス手法を事業化する目的で新規に設立された「研究成果ベンチャー」が1341社(構成比58.9%)と約6割を占めて最多、次いで、大学と深い関連のある「学生ベンチャー」が467社(同20.5%)、創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、創立5年以内に大学と共同研究等を行った「共同研究ベンチャー」が218社(同9.6%)と続く。

 大学発ベンチャー創出数について、大学別では、「東京大学」が271社と最も多く、次いで「京都大学」(164社)、「筑波大学」(111社)、「大阪大学」(106社)、「東北大学」(104社)、「九州大学」(90社)、「早稲田大学」(82社)などが続く。また地域別では、「東京都」が664社で最も多く、次いで「大阪府」(150社)、「京都府」(145社)、「神奈川県」(129社)、「福岡県」(112社)と続き、この5都府県が100社を超えた。

 業種別にみると、「バイオ・ヘルスケア・医療機器」が702社(構成比30.8%)と約3割を占めて最も多く、次いで「IT(アプリケーション、ソフトウェア)」(667社、同29.3%)、「その他サービス」(649社、同28.5%)の順に多く、前年と同様の傾向となっている。2017年度調査と比べると、「バイオ・ヘルスケア・医療機器」の企業が43社、「その他サービス」の企業が59社、多く把握されている。

 大学発ベンチャーの資本金は、「1000万円以上5000万円未満」の企業が143社と最も多く、平均は1億814万円。正社員数は「5人未満」の企業が523社と最も多く、平均は9人。売上高は、「1000万円以上5000万円未満」の企業が128社と最も多く、平均は1億2703万円。営業利益は、「100万円以上500万円未満」の企業が68 社と最も多く、平均は▲2549万円。代表者の年代は、60歳以上が40.8%(172社)と最も多かった。

 同調査結果の概況は↓

https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/start-ups/h30venturereport_gaiyou.pdf