標準者退職金、60歳・総合職で大卒が2255.8万円

 経団連が、会員企業等を対象に2018年9月末現在で実施した「退職金・年金に関する実態調査」結果(有効回答数252社)によると、標準者の退職金額は、いずれの学歴区分においても勤続年数・年齢の上昇に伴って増加し、「管理・事務・技術労働者」の60歳・総合職では、大学卒が2255.8万円、高校卒が2037.7万円となっている。標準者退職金とは、学校卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進・昇格した者を対象に算出したものをいう。

 「管理・事務・技術労働者(総合職)」の大学卒のその他の年齢の標準退職者支給額は、勤続年数10年(32歳)が307.9万円、同20年(42歳)が809.4万円、同30年(52歳)が1629.8万円となっている。また、1歳あたりの増加額のピークは、「管理・事務・技術労働者(総合職)」においては、大学卒では勤続年数30年からの3年間で110万円/年、高校卒では勤続年数35年からの2年間で110万円/年だった

 賃金改定額と退職金算定基礎額の関係をみると、「賃金改定額とは関係なく別建てとなっている」とする企業が増加傾向にあり、84.0%と過去最高(2016年80.2%)を更新。別建てとする企業のうち、「ポイント方式(点数×単価)」採用が83.2%にのぼる。ポイント配分割合は、各勤続年数・年齢において、「資格・職務要素」が60%台、「年功要素」が20%前後~20%台半ば、「考課要素」が10%弱の配分という従来の傾向に大きな変化はない。

 退職金制度をみると、「退職一時金制度と退職年金制度の併用」とする企業割合が7割程度で最も多い傾向に大きな変化はなく、2018年調査では72.1%となった。このほか、「退職一時金制度のみ」は10.9%、「退職年金制度のみ」が13.0%。退職年金制度の種類(複数回答)をみると、「確定拠出年金(企業型)」が67.7%で最多、「確定給付企業年金(規約型)」が48.4%、「確定給付企業年金(基金型)」が26.5%の順だった。

 確定拠出年金のマッチング拠出導入状況をみると、「確定拠出年金(企業型)」におけるマッチング拠出(事業主掛金を上回らない範囲で、加入者である従業員も掛金を拠出できる制度)については、導入企業は着実に増加しており、2018年は「導入済み」が45.5%(2016年35.8%)、「導入する方向で検討中」が6.7%(同12.7%)となっている。なお、「導入の考えはない」は42.7%(同45.1%)、「その他」は5.1%(同6.4%)だった

 同調査結果は↓

https://www.keidanren.or.jp/policy/2019/039.pdf