夏のボーナス、4年連続増加も伸びは小幅との予測

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングがこのほど発表した「2019年夏のボーナス見通し」によると、厚生労働省「毎月勤労統計調査」ベースでみた民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上) の2019年夏のボーナスは、一人当たり平均支給額が39万321円(前年比+0.8%)と4年連続で増加するものの、増加幅は前年の+4.2%から大幅に鈍化すると見込まれている。

 業種別では、製造業では52万4568円(前年比+0. 5%)、非製造業では36万1312 円(同+0.9%) と、支給額はともに増加すると見込まれる。大企業では業績拡大の鈍化や主に海外経済の先行き不透明感が重荷となり、増加幅は縮小する。一方、中小企業(5~29人の事業所)では支給額が冬に前年比▲5.4%と減少したが、人手不足が一段と深刻化していることを背景に、夏は大きく減少することはないとみている。

 雇用者数が増加するなか、ボーナスが支給される事業所で働く労働者の数も増加が見込まれる。夏のボーナスの支給労働者割合は81.5%と前年と同水準となるものの、雇用者数の増加を反映し、支給労働者数は4139万人(前年比+1.6%)に増加。結果的に、2019年夏のボーナスの支給総額(一人当たり平均支給額×支給労働者数)は、支給労働者数の増加が主な要因となり、16.2兆円(同+2.4% )と堅調に増加を続けると見込まれる。

 また、内閣人事局の発表によると、国家公務員(管理職及び非常勤を除く一般行政職)の2019年冬のボーナス(期末・勤勉手当)は71万円(前年比▲0.6%)と前年から減少した。これは、冬のボーナスの支給月数は2.295ヵ月分と昨年から据え置かれた一方、職員の平均年齢の低下(35.9歳→35.5歳)などによりボーナスの算定基準となる平均給与額が減少したためだ。

 一方で、夏のボーナスは前年から増加し、平均支給額は68万8415円(前年比+5.5%)になると予測。これは、(1)昨年8月の給与勧告で民間の支給状況等を踏まえ、年間支給月数が0.05月分引き上げられたものの、昨年の夏のボーナス支給に間に合わなかった、(2)これに対し、今年は引上げ分が反映される(年間支給月数の4.45月分が夏と冬で等しく配分される)、というテクニカルな要因によるもの。

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