2018年の工場立地件数は1123件と過去5年間で最大

 経済産業省は、工場を建設する目的で2018年(1月~12月)に1000平方メートル以上の用地を取得した製造業、ガス業、熱供給業、電気業の事業者を対象に「工場立地動向調査」を実施し、その速報結果を取りまとめ公表した。それによると、製造業等の工場立地件数は1123件(前年比8.5%増)で、過去5年間で最大の件数となる一方、工場立地面積は1293ヘクタール(同12.9%減)で、昨年と比べ減少となった。

 工場立地件数は、2008年のリーマンショック以降、1000件前後で推移しており、立地件数・面積とも、バブル景気時の1989年がピークで、現在は、件数・面積ともにピーク時の4分の1程度に減少している。工場立地の平均面積は、好景気時は増加する傾向にある。直近5年間(2014~18年)の平均面積は、増減を繰り返しており、5年間の平均は1.25ヘクタールだった(1974年~2018年の平均面積(1.25ヘクタール)と同じ)。

 工場立地件数を面積別にみると、2018年は「0.5ヘクタール未満」の小規模立地が48%と、立地件数の半分を占める傾向が続いている。また、「0.5ヘクタール未満」の立地件数が前年から80件増の543件と大幅に増加してことにより、全体の立地件数が増加している。一方で、「2ヘクタール以上」の規模が大きい立地件数のみが同▲13件の166件と減少している点が特徴的な動きとなっている。

業種別の工場立地の動向をみると、面積で常にトップを占めていた「食料品製造」が、2018年において、件数(前年比▲129件の52件)、面積(同▲84ヘクタールの188ヘクタール)ともに大きく減少。一方で、「金属製品」、「生産用機械」、「はん用機械」等が件数・面積ともに前年に比べ大幅に増加した。「輸送用機械」は、立地件数が増加した一方で立地面積は減少し、「食料品」は件数・面積ともに前年に比べ減少となった

 本社と同じ県内に立地する件数は、全立地件数の6~7割で推移。立地地点の選定理由も、「本社・自社工場への近接性」を重視する企業は301件でトップ、また、今回は「地価」を選定理由とする回答が168件で2番目に多い。地域別みると、立地件数は、「愛知県」(77件)、「群馬県」(69件)、「茨城県」(68件)が、立地面積では、「茨城県」(147ヘクタール)、「愛知県」(76ヘクタール)、「群馬県」(75ヘクタール)がベスト3となっている。

 同調査結果は↓

https://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190329012/20190329012-2.pdf