高校入学~大学卒業に必要な入在学費用は953万円

 日本政策金融公庫が発表した「2018年度教育費負担の実態調査」結果(有効回答数4700人)によると、子供1人当たりの入学費用は、高校が31.9万円、高専・専修・各種学校が59.7万円、短大が73.1万円、大学が88.4万円となった。私立大学の入学費用は理系で85.5万円、文系で90.4万円、国公立大学の入学費用は80.1万円。国公立大学へ入学した場合は、入学しなかった私立大学等への納付金(12.8万円)の負担が大きくなっている。

 子供1人当たりの1年間の在学費用は、高校が68.5万円、高専・専修・各種学校が128.6万円、短大が135.4万円、大学が156.9万円。私立大学の1年間の在学費用は、理系で185.3万円、文系で160.1万円と、理系で国公立大学(114.8万円)のおよそ1.6倍、文系でおよそ1.4倍となっている。この結果、高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用の合計は、953.4万円と、前回2017年度調査(935.3万円)より増加した。

 世帯年収に占める在学費用(子供全員にかかる費用の合計)の割合は、平均15.7%となっており、前回調査より0.2ポイント上昇。在学費用の負担割合を世帯年収の階層別にみると、年収600万円以上の世帯では前回調査と比べほぼ横ばい、「年収200万円以上400万円未満」の世帯では32.1%と同3.0ポイント低下。「年収400万円以上600万円未満」の世帯では22.6%と、同2.4ポイント増加した。

 自宅外通学者のいる世帯の割合は、全体の28.3%を占めており、「国の教育ローン利用」世帯では37.7%と高くなっている。1世帯あたりの自宅外通学者数は、平均0.33人となり、地方ほど多く、都市部ほど少なくなる。自宅外通学者への仕送り額は、年間平均90.8万円(月額7.5万円)。また、自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)は、入学者1人当たり平均37.4万円となっている。

 教育費の捻出方法(3つまで回答)については、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が31.7%と最多、以下、「預貯金や保険などを取り崩している」(23.3%)、「奨学金を受けている」(21.0%)、「子供(在学者本人)がアルバイトをしている」(20.3%)と続く。節約している支出(3つまで回答)としては、「旅行・レジャー費」が59.8%と最多、以下「外食費」(55.8%)、「衣類の購入費」(41.1%)と続いている。

 同調査結果の詳細は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h30.pdf