2019年5月1日の改元に先立ち、4月1日に新元号が発表となる。帝国データバンクがこのほど発表した「改元に関する企業の意識調査」結果(有効回答数9701社)によると、改元に際しての企業活動への影響は、「プラスの影響がある」が5.3%、「マイナスの影響がある」が12.8%、「プラス・マイナス両面の影響で差し引きゼロ」が25.5%、「影響はない(改元と企業活動は無関係)」が38.9%、「分からない」が17.5%となった。
改元がプラスの影響であると捉えている企業は5%程度となったが、改元が行われることによって「自社に何らかの影響がある」と認識している企業は4割以上だったことが明らかになった。業界別にみると、全ての業界において「影響はない(改元と企業活動は無関係)」という回答が最も高かったが、「プラスの影響がある」、「マイナスの影響がある」については業界別にバラツキがみられた。
「プラスの影響がある」では、「サービス」が10.4%と最も高く、次いで「小売」が8.6%。改元にともない生じるシステム改修業務の受注や大型連休による個人消費の拡大などを期待する様子がうかがえる。他方、「マイナスの影響がある」では、「金融」が27.3%と最も高く、次いで「運輸・倉庫」の20.5%となっており、営業日数の減少による売上減や大型連休前後の輸送の集中を危惧していることがうかがえた。
また、業種別にみると、「プラスの影響」では、「旅館・ホテル」が30.4%とトップ、次いで「出版・印刷」(27.8%)、「紙類・文具・書籍卸売」(20.2%)、「放送」(20.0%)が続いた。特に「旅館・ホテル」においては、改元を祝した宿泊プランの検討など自社の業績を押し上げる契機と考える企業もみられた。他方、「マイナスの影響」では、「金融」、「電気通信」がともに27.3%でトップ、次いで「飲食店」(24.3%)が続いた。
改元の影響に関する具体的な理由(複数回答)は、プラスの理由として、消費マインドの改善など「人々の気持ちの高揚」が13.5%と最も高く、次いで、休日の増加による「個人消費の拡大」(8.7%)、改元に伴う設備改修業務や商品入替えの増加など「改元特需の発生」(7.9%)が続いた。今回の改元を祝賀行事として捉えている表れであり、気持ちの高揚といった内面的な盛上がりをプラス材料と認識している企業が多数みられた。
他方、マイナスの理由としては、休日の増加による「営業日数の減少」(24.5%)、新元号に関する商品・サービスの購入・利用、行政システムへの対応など「諸経費の増加」(14.6%)、業務量の増加など「人手不足の深刻化」(12.2%)などが上位だった。業界別にみると、全体の傾向として「営業日数の減少」の割合が高くなっているが、「金融」と「不動産」、「農・林・水産」では「諸経費の増加」がトップとなった。
同調査結果は↓