生活衛生関係営業の4割が「人手不足を感じている」

 日本政策金融公庫が飲食業や美容業などの生活衛生関係営業を対象に昨年12月上旬に実施した「雇用動向に関するアンケート調査」結果(有効回答数3061社)によると、従業者の過不足感は、「不足」と回答した企業割合が39.8%と、全体の約4割を占めた。業種別にみると、「ホテル・旅館業」(62.1%)が最多、次いで、「食肉・食鳥肉販売業」(44.7%)、「映画館」(44.0%)、「飲食業」(43.8%)の順となり、この4業種が全体を上回った。

 従業者の不足による経営悪化への影響は、「影響がある」(「かなり影響がある」、「ある程度影響がある」)と回答した企業割合が69.9%と、全体の約7割を占めた。業種別にみると、「ホテル・旅館業」が82.8%と最多、次いで、「美容業」(75.1%)、「飲食業」(70.8%)の順。従業者の不足への対応(複数回答)では、「従業者の新規採用」(38.2%)、「営業時間の短縮」(32.5%)、「効果的な手段が見当たらない」(31.4%)などが挙げられた。

 従業者を採用する場合に求める人材(複数回答)は、「パート・アルバイト」(77.8%)、「中途の経験者」(48.0%)、「女性」(47.3%)の順。従業者の採用に向けた効果的な取組み(3つまで回答)は、「身内や知人等への紹介依頼」(42.2%)、「ハローワークへの求人」(22.8%)、「求人サイトの活用」(20.4%)の順。従業者の定着化に向けた効果的な取組み(3つまで回答)は、「賃金の引上げ」が47.1%で最多となった

 正社員の賃金水準は、1年前と比べて「上昇した」と回答した企業割合が35.8%と、前年調査を7.0ポイント上回り、調査開始以来、過去最高となった。業種別にみると、「ホテル・旅館業」が47.3%で最多、次いで、「食肉・食鳥肉販売業」(46.7%)、「映画館」(45.8%)の順。非正社員の賃金水準は、1年前と比べて「上昇した」と回答した企業割合が44.4%と、前年調査を4.5ポイント上回り、調査開始以来、過去最高となった。

 今後1年間の正社員の賃金の見通しは、「賃金を引き上げる」と回答した企業割合が33.7%と、前年調査を5.9ポイント上回り、調査開始以来、過去最高となった。業種別にみると、「映画館」が47.9%で最多、次いで、「ホテル・旅館業」(46.4%)、「食肉・食鳥肉販売業」(45.3%)の順。今後1年間の非正社員の賃金の見通しは、「賃金を引き上げる」が34.3%と、前年調査を5.6ポイント上回り、調査開始以来、過去最高となった。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/seikatsu31_0311a.pdf