京都府内のホテル、大企業の収入拡大、中小は横ばい

 帝国データバンクがこのほど発表した「京都府内のホテル・旅館の経営実態調査」結果によると、同社保有の企業概要データベース「COSMOS2」収録企業のうち、業績比較が可能な京都府内に本社を置く「ホテル・旅館」業者は156社だった。156 社の過去5年の収入高合計の推移をみると、2017年度まで5年連続で増加となった。順調な観光入込客数の増加に伴い稼働率が高まり、全体として業績が伸びている。

 一方、2017年度は、2016年度と比較し、増収企業数が減少し、減収企業及び横ばい企業が増加した。2017年度のホテル・旅館156社を収入高規模別にみると、「100億円以上」の企業は3社とも増収となった。「10億円以上50億円未満」の企業は16社中9社と6割弱の企業が増収、「5億円以上10億円未満」の企業は19社中7社と4割弱の企業が増収となっている。

 一方、ボリュームゾーンである「1億円以上5億円未満」(85社)では、増収企業は3割強にとどまり、5割弱の企業が横ばいとなったほか、「1億円未満」の小規模企業(33社)でも6割弱が横ばいとなるなど、年商規模が大きい企業ほど、増収の比率が高くなっており、収入高規模により二極化が鮮明となった。施設数、収容客数の多い大手企業の収入が拡大している反面、収容客数が限られる中小企業が伸び悩んでいる状況がうかがえる。

 2017年度のホテル・旅館156社を業歴別にみると、「10年未満」の業歴の浅い企業が7社となった一方で、「50年以上」の企業が87社と6割弱を占めるなど業歴の長い企業が多いことが判明。業歴別に増減収などの傾向をみると、「100年以上」は横ばいが6割。「50年以上100年未満」では増収が3割強、横ばいが4割弱となった。「10年以上30年未満」では4割強が増収だが、「30年以上」では横ばいの比率が高くなっている。

 業歴の長い老舗ほど横ばい割合が高いのは、稼働率が高水準で推移し、業績が高止まりしているからとみられる。なお、収入高トップはJR京都駅ビル内の「ホテルグランヴィア京都」を運営する(株)ジェイアール西日本ホテル開発の約324億2600万円、第2位は「京都ホテルオークラ」、「からすま京都ホテル」などを運営する(株)京都ホテル(東証2部)の約127億1500万円(決算期変更に伴い15ヵ月の変則決算、同約107億700万円)。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s190301_50.pdf