大阪シティ信用金庫が取引先企業を対象に2月上旬に実施した「中小企業における採用予定調査」結果(有効回答数1223社)によると、正社員の採用計画は、「予定あり」と答えた企業は36.0%で、昨年(34.9%)に比べると1.1ポイント増加した。同割合はこれで4年連続の増加となり、同調査を開始した1999年以降3番目に高く、リーマンショック後では最も高い水準を更新した。
業種別にみると、「採用予定あり」と答えた企業は「運輸業」が49.4%で最も多く、「小売業」が22.9%で最も少ない。また、「製造業」(41.5%)は、同調査開始以来初めて4割を超え、人手不足の深刻さがうかがわれる結果となった。従業者規模別にみると、「採用予定あり」と答えた企業は規模が大きくなるほど多く、「5人未満」の13.6%に対し、「50人以上」では78.3%と約8割に及んでおり、その差は64.7ポイントと大きい。
採用予定がある企業が採用する主な理由は、「忙しくなってきたため」が55.1%で最も多い。これは調査開始以降、最高を記録した昨年(59.3%)に次ぐ高い割合であり、依然として中小企業の景況改善が維持されていることがうかがえる。次に、「業容拡大を目指して」(20.4%)、「欠員の補充」(16.1%)などが続いている。業種別にみると、「忙しくなってきたため」は「運輸業」(86.4%)や「小売業」(78.9%)で特に多くなっている。
採用予定がある企業の採用の内容では、「新卒者を採用」と答えた企業は24.3%で昨年(25.9%)に比べ1.6ポイント減少した。これに対し、「新卒者以外の即戦力を採用」が75.7%で圧倒的に多く、今年も経験者などの即戦力採用が主体で、その傾向は強まった。従業者規模別にみると、「新卒採用」は規模が大きくなるほど多く、「5人未満」の15.2%に対し、「50人以上」では36.9%となっている。
ここ1年程度を振り返り、自社や同業者などが必要な人材を確保する場合の難易度に変化があったかどうかなど人材確保の状況は、「難しくなった」と答えた企業が56.2%と半数を超えた。有効求人倍率の高止まりを背景に、中小企業では必要な人材を確保することが難しい状況が続いている。業種別にみると、「難しくなった」と答えた企業は、「運輸業」が73.1%で最多のほか、「建設業」(60.4%)や「製造業」(59.5%)も多くなっている。
同調査結果は↓
http://www.osaka-city-shinkin.co.jp/houjin/pdf/2018/2019-02-26.pdf