小企業の金融機関からの借入金残高の増減は、1年前と比べて「減少した」との回答割合が51.8%(前年51.7%)と、「増加した」企業の割合の21.6%(同21.6%)を大きく上回っていることが、日本政策金融公庫がこのほど発表した「小企業の借入に関する調査」結果(有効回答数6119社)で分かった。「増加した」企業の割合は前年から横ばいだった。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「増加した」割合が高くなっている。
借入金残高の水準に関する認識をみると、「適正」と考えている企業が全体の63.4%を占める一方、「過大」と考えている企業の割合も31.1%にのぼる。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「過大」の割合が高くなっている。また、今後1年間の借入金残高に関する方針をみると、「減らす」と回答した企業の割合が62.4%にのぼるものの、前年調査から1.4ポイント低下。「増やす」は、8.4%と2年連続で上昇した。
2018年に「借入した」と回答した企業割合は、40.6%と2017年から0.7ポイント低下。従業者規模別にみると、規模が大きい企業ほど「借入した」割合が高くなっている。2018年に借入した企業に、そのうちで最も大きな借入の資金使途について尋ねたところ、「日常的な仕入・経費支払」が48.9%と最も多く、次いで「設備の更新・補修」(21.7%)、「余剰手元資金の確保」(18.6%)の順となっている。
従業者規模別にみると、「設備の増設・新設」、「従業員の増員」などでは従業者「10人以上」の企業が最も多くなっているのに対し、「設備の更新・補修」、「赤字補てん」などでは「1~4人」の企業が最も多くなっている。2018年に借入した企業のうち、借入金利が前年と比べて「上がった」と回答した企業割合は14.5%、「変わらない」は70.2%、「下がった」は15.3%となった。
2018年後半に金融機関からの接触頻度が「増えた」と回答した企業割合は、メインバンクについては7.7%、メインバンク以外の金融機関については9.9%。一方、「減った」と回答した企業割合は、それぞれ12.3%、11.8%となっている。いずれの金融機関についても「変わらない」と回答した企業割合が約8割を占めている。従業者規模別にみると、規模が大きくなるほど「増えた」割合が高くなっている。
同調査結果は↓