17歳~19歳の若者が国と地方自治体の借金が1000兆円の大台を超えていることについて、61.3%が知らないと回答したことが、日本財団が全国の17歳~19歳の男女を対象に1月に実施した「国の借金に関する18歳意識調査」結果(有効回答数800人)で分かった。借金を前提とした予算案については、「反対」が29.9%となっており、「賛成」の13.8%を上回る。ただし、過半数の56.4%の人は「わからない」と回答している。
「反対」の理由(自由回答)では、返済する額のほうが国債発行額より少ないことについて「このままでは財政破綻してしまう」、「国債が増える一方」という意見が目立った。また、「無駄にお金を使っている」、「借金をしてまで公共サービスを過剰にする必要はない」などの意見も挙がった。「賛成」の理由では、借金を前提とした予算編成は良くないと思っているものの、経済が回っていくためには「やむを得ない」、「仕方ない」という声が目立った。
「国と地方自治体の借金の理由」については、「政治家の努力が足りなかった」が50.9%と過半数を占め、「国民の負担(税金など)が軽かった」(20.9%)、「国民の権利の主張が強かった」(18.6%)が続いた。国と地方自治体の借金を誰が負うべきかについては、59.0%が「国民全体で負うべき」、28.5%は「借金を増やしてきた世代が負うべき」と回答。「自分たちの世代が負うべき」との回答は5.1%に過ぎない。
財政状況をみて、日本の将来に「不安を感じる」が72.8%と7割強を占め、「感じない」はわずかに10分の1の7.3%だった。「不安を感じる」の理由(自由回答)としては、「このままでは経済破綻は免れない」、「借金は増える一方」、「少子高齢化、社会保障制度の崩壊、経済不安など問題が山積み」、「少子高齢化で年金自体賄うのが大変」など、日本の借金や少子高齢化を不安視する声が目立った。
日本の財政を立て直すために求められる対策については、「歳出を減らす(社会的サービス・公共事業などを削減)」が36.5%。これに対し、「歳入を増やす」は49.0%。「歳入を増やす」の内訳は、「企業への増税」が25.1%、「消費税などの増税」が23.9%。「歳出を減らす」の理由(自由回答)では、「公共サービスが手厚すぎる」、「見直しのできる事業があるはず」、「税金の無駄遣いをやめるべき」などの意見が挙げられた。
このほか、増税に対して「国民の負担になる」、「景気悪化をもたらす」などの反対する意見もみられた。「歳入を増やす(増税)」の理由(自由回答)は、「公共サービスは減らすべきではない」、「産業発展のためにも企業への増税はどうかと思う」という回答や、外国の高い消費税を例に挙げ、「日本はもう少し増税しても大丈夫」、「高い税金で医療、福祉、教育に力を入れてほしい」という意見もみられた。
同調査結果の概要は↓
https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/02/wha_pro_eig_42.pdf