アルバイト社員の不足感を感じている企業は約7割

 マイナビが、直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった20~69歳の会社員(会社役員・自営業を含む)を対象に実施した「アルバイト採用活動に関する企業調査」結果(有効回答数1323社)によると、アルバイト社員の過不足感については、全体の68.7%と約6割の企業が「不足している」と回答した。業種別でみても、いずれの業種も人材不足感が強く、特に「警備・交通誘導」(84.8%)、「清掃」(83.0%)では8割を超える結果となった。

 一方で「事務・データ入力・受付・コールセンター」は「充足している」が51.0%と唯一5割を超えており、他の業種と比べると人材の充足感が強い。有効求人倍率も事務的職業は0.52倍と低いことから(厚生労働省「職業安定業務統計」12月度の有効求人倍率)、事務の仕事は求人(供給)に対して求職者(需要)が多いことがうかがえる。「販売・接客(その他小売・サービス)」も42.0%と相対的に充足度が強い。

 採用コストは、全体で27.8%の企業が「上がった」と回答。業種別においても、前年と比較して全ての業種で「下がった」より「上がった」割合のほうが多い。中でも「警備・交通誘導」、「清掃」は他の業種と比較して大きく増加しており、5割近い企業が「前年と比較して上がった」と回答。これは、前項のアルバイト社員の不足感とも連動しており、費用をかけても充分な人材の確保ができず、採用コストの高騰につながっていることが分かる。

 各企業が人材確保のために実施した施策は、「給与の増額」(30.6%)、「シフトの緩和」(26.2%)、「シニア層の積極採用」(23.0%)が上位に並んだ。多様な働き方という観点で、「シニア層」、「主婦・主夫層」(19.3%)の採用は積極的に実施されているが、それと比べると「外国人」(8.6%)の採用は消極的な様子がうかがえる。今後実施したい施策では、「福利厚生の充実」(18.6%)、「職場の設備の充実・改善」(16.7%)が相対的に高い。

 対象企業に勤めるアルバイト社員が、早期退職せずに長く続けられていると考えられる理由については、「シフトの融通が利くから」(45.0%)と「人間関係が良いから」(44.6%)が突出して高い結果となった。人材確保が難しくなっている今、既存社員の長期勤務化も大きなポイントとなる。「シフト」や「給与」といった物理的な就業条件とは別に、「人間関係」という職場環境の改善も今後はより意識すべき重要なポイントになりそうだ。

 同調査結果は↓

https://www.mynavi.jp/news/2019/02/post_19084.html