1月の倒産694件、2ヵ月ぶりの前年同月比増加

 帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、1月の倒産件数は694件で、前月比では10.7%の増加、前年同月比でも12.8%増加し、2ヵ月ぶりに前年同月を上回り、2017年10月(前年同月比10.1%増)以来、1年3ヵ月ぶりの前年同期比二ケタ増となった。業種別では7業種中、小売業などの5業種で、また、地域別では9地域中、近畿などの7地域で、前年同月に比べ増加した。

 一方、負債総額は1723億5600万円(前月757億3800万円、前年同月1004億7700万円)となり、前月比は127.6%の増加、前年同月比でも71.5%増の大幅増加となり、3ヵ月ぶりの前年同月比増加となった。これは、負債100億円以上の倒産が2件発生したことなどによるもの。負債トップは、(株)エメラルドグリーンクラブ(東京都、民事再生法)の450億円だった。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を下回った。小売業(158件、前年同月比17.9%増)は、原材料費や人件費の高騰を背景に飲食料品小売(29件)や飲食店(50件)の倒産が増加し、2ヵ月ぶりの前年同月比増加。また、サービス業(179件、同30.7%増)は広告業(8件)や美容業(5件)の倒産が目立ち、4ヵ月連続の増加。一方、製造業(73件、同12.0%減)は2ヵ月連続で前年同月を下回った。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は420件で、構成比は60.5%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が441件で構成比は63.5%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(127件)が構成比30.2%(前年同月比6.2ポイント増)を占め最多、小売業(112件)が同26.7%(同2.0ポイント減)で続く。

 地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を下回った。近畿(183件、前年同月比10.2%増)は、ソフトウェア開発などのサービス業(59件)が地域全体を押し上げ、2ヵ月ぶりの前年同月比増加。また、九州(60件)は、復興需要効果で低水準だった前年同月からの反動で、前年同月比50.0%増となった。一方、北海道(16件、同11.1%減)、中部(92件、同12.4%減)の2地域は前年同月を下回った。

 同倒産状況の概要は↓

https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1901.html