19年度の中途採用は大企業を中心に一層増加の見通し

 リクルートワークス研究所が発表した「中途採用実態調査」結果(有効回答数4691社)によると、2019年度の中途採用の見通しは、「増える」(19.8%)が「減る」(4.9%)を上回っている。「増える-減る」のポイントは+14.9%ポイントと依然として高水準を維持。中途採用需要は前年に引き続き増加する。調査開始以来比較可能な2016年度からみると、4年連続で10%ポイントを上回り、特に2018年度以降採用意欲が加速している。

「わからない」と回答している企業は32.0%で、前年の34.5%と比較して2.5%ポイント低下。一方で「減る」と回答した企業は0.9%ポイント増加。不透明感が増すなか、採用姿勢が二極化している可能性がある。従業員規模別にみると、特に、従業員5000人以上企業では、他の従業員規模と比べて、「増える」(24.6%)が「減る」(4.6%)を大きく上回っており、全体的に従業員規模が大きい企業の採用意欲が高い。

 業種別でみると、「増える」が「減る」を大きく上回っているのは、「飲食店・宿泊業」(+26.9%ポイント)、「情報通信業」(+23.7%ポイント)、「小売業」(+21.5%ポイント)、「運輸業」(+21.3%ポイント)などであり、人手不足が目立つ業種となっている。前年と比較すると、「建設業」の伸びがやや減速しており(-3.2%ポイント)、中途採用需要はピークを迎えた可能性もある。

 2018年度上半期の中途採用において、人員を「確保できた」企業は45.0%、「確保できなかった」企業は54.2%となっており、中途採用確保D.I.(「確保できた」-「確保できなかった」)は-9.2%ポイントと、2期連続で0を下回り、過去最低となった。業種別にみると、「建設業」(-34.2%ポイント)や「飲食店・宿泊業」(-31.8%ポイント)など人手不足が目立つ業種において、D.I.が低い水準にある。

 2018年度上半期に企業が採用した正規社員の年齢層は、中途採用を実施した企業のうち、「10代・20代」を採用した企業は58.1%、「30代」は66.8%となり、40歳以下の年齢層の採用が多い。一方で、「50代」(22.9%)、「60代・70代以上」(5.9%)については低い水準にとどまっており、50代以降の中途採用が厳しいことがわかる。前年と比較すると、全ての年齢層で採用が増加している。

 同調査結果は↓

http://www.works-i.com/pdf/190205_midcareer.pdf