府内中小企業の事業承継、6割強が「後継者はいる」

 大阪商工会議所が府内の従業員数300人以下の中小企業(個人事業主含む)を対象に昨年11月から12月にかけて実施した「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」結果(有効回答数1003者)によると、事業承継に関する代表者の意向は、回答者の約半数(50.3%)が「親族に承継したい」との意向を示した。「現在のところ未定」(17.8%)がこれに続く。個人事業主に限ってみると、「自分の代で廃業するつもり」(36.6%)が最も多い。

 現在の代表者にとって意中の「後継者はいる」とする回答は、全体の6割強(62.6%)。一方、「後継者はまだ決めていない」(13.6%)と「後継者はいない」(20.7%)を合わせると、およそ3分の1にのぼる。特に個人事業主に限ると、「後継者はいない」(42.9%)が4割を超える。代表者の年齢別にみると、70歳以上の層でも、「後継者未定」(10.1%)又は「不在」(22.9%)とする回答が合わせて約3分の1にのぼる。

 上記設問で、代表者にとって意中の「後継者はいる」との回答者のうち、「既に後継者本人の了解を得ている」のは、7割強(72.6%/456者)だった。すなわち、「意中の後継者が存在し、かつ後継者本人の了解を得ている」のは、回答者全体(1003者)の4割台半ば(45.5%)にとどまる。同様に、70歳以上の層でも、494者のうち231者(46.8%)と半数に満たない状況にある。

 事業承継の準備状況は、「既に準備を進めている」のは3割台半ば(35.5%)。個人事業主に限ると約2割(20.5%)にとどまる。同様に、70歳以上の層でも36.2%という状況。事業承継の準備を進めている回答者が少ない一方、承継がうまく進まなかった場合には、関係者に「マイナスの影響を及ぼすと思う」とする回答は、全体の約7割(69.9%)に達する。個人事業主に限っても6割強(61.5%)がマイナス影響を自覚している。

 同調査結果は↓

http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/310131jsank.pdf