4割の企業が事業承継に前向きもうち6割が準備未了

 日本政策金融公庫が、飲食業や理・美容業など生活衛生関係営業を対象に昨年9月中旬に実施した「生活関係営業の事業承継に関するアンケート調査」結果(有効回答数3092社)によると、事業承継についての意向は、「事業を承継させたい」と回答した企業割合が37.8%と、全体の約4割を占めた。業種別にみると、「ホテル・旅館業」が54.9%で最も多く、次いで、「食肉・食鳥肉販売業」(51.0%)、「氷雪販売業」(44.2%)の順となった。

 現経営者の年齢別にみると、「70歳以上」の層が50.2%と、最も多い。また、事業承継の意向がある企業の後継者の有無は、「後継者が決まっている」と回答した企業割合が56.5%。業種別にみると、「クリーニング業」が75.8%で最多、次いで、「食肉・食鳥肉販売業」(68.8%)、「理容業」(68.0%)の順。現経営者の年齢別にみると、年齢が上がるにつれて割合が増えており、「70歳以上」(73.9%)の層では全体の約7割を占めた。

 現経営者からみた後継者又は後継候補者との関係は、「子供」と回答した企業割合が80.3%と、全体の約8割を占めた。「子供」と回答した企業を業種別にみると、「公衆浴場業」が95.3%と最も多く、次いで、「ホテル・旅館業」(90.0%)、「クリーニング業」(88.9%)、「理容業」(85.3%)の順。現経営者の年齢別にみると、年齢が上がるにつれて割合が増えており、「70歳以上」(89.1%)の層では全体の約9割を占めた。

 事業承継の予定時期は、「5年以内」(「1年以内」(6.2%)、「1年超~3年以内」(15.8%)、「3年超~5年以内」(15.6%)の合計)の比較的早期に事業承継を予定している企業割合が、37.6%となった。業種別にみると、「ホテル・旅館業」が43.8%と最も多く、次いで、「クリーニング業」41.8%、「食肉・食鳥肉販売業」40.0%の順。現経営者の年齢別にみると、「70歳以上」の層が56.4%と最も多くなった。

 事業承継の意向がある企業の事業承継の準備状況は、「準備を進めている」と回答した企業割合が42.0%、「現時点では準備をしていない」は58.0%。業種別にみると、「準備を進めている」と回答した企業割合は、「公衆浴場業」が53.2%で最も多く、次いで、「食肉・食鳥肉販売業」(51.3%)、「ホテル・旅館業」(49.0%)の順。現経営者の年齢別にみると、「準備を進めている」企業割合は、「70歳以上」の層が53.2%と最も多い。

 同調査結果は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/seikatsu31_0122a.pdf