4人に1人が1年前に比べて「残業が減った」と回答

 パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」が、20歳~59歳のビジネスパーソン3000人を対象に実施した「残業に関する調査」結果によると、1年前に比べた残業時間の増減については、「残業が減った」との回答は26.3%となり、全体のほぼ4人に1人を占める結果となった。「増えた」との回答は17.4%、1年前と「変わらない」との回答は51.5%だった。

 全体としては、「減った」という回答が「増えた」を上回り、少しずつではあるが働き方改革の成果が表れてきているようだ。「残業が減った」との回答の要因の中で最多は「会社の制度変更」で、37.7%と全体の4割近くを占めた。「昔は、サービス残業が当たり前だったが、最近はなくなった」(メーカー/男性)、「帰りは最近早くなった」(金融/女性)など、サービス残業を抑制する制度の導入によって残業が減ったと感じている人もいるようだ。

 一方で、「増えた」との回答の要因の中で最多は「仕事が増えた」の63.2%、次いで「人が減った」の32.4%。「繁忙期の人員不足や遅番スタッフの不足により、残業のしわ寄せが発生している」(小売/男性)など、人手不足の影響を受けている会社が多いようだ。また、「働き方改革もあって残業を減らせと言われるが、結局は早朝出勤や、昼休みを短縮したりしている」(事務・アシスタント/女性)というケースも少なくないようだ。

 「会社の制度変更」によって残業が減ったと感じている人の内訳をみてみると、業種では「金融」が16.8%で最多、次いで「IT・通信」と「メーカー(機械・電気)」がともに14.8%、「商社」が4.7%。残業時間を減らした社員や有給休暇を取得した社員にインセンティブを与える制度を導入したIT企業や、AI活用で誰でも業務を行える仕組み作りを行った保険会社など、社を挙げて残業削減に取り組んでいる企業で成果が上がっているようだ。

 さらに職種別では、「営業職」26.9%、「技術職(SE・インフラ・Webエンジニア)」14.8%、「企画・管理」13.5%の順で「会社の制度変更」によって残業時間が減ったことを実感しているようだ。営業職は残業時間を減らしにくい印象もあるが、営業支援システムや、直接訪問ではなく電話やメールで営業を行うインサイドセールスの手法を取り入れる会社が増えていることも、残業削減の要因の一つに挙げられそうだ。

 同調査結果は↓

https://www.persol-career.co.jp/pressroom/news/research/2019/20190121_01/