帝国データバンクが15日に発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、12月の倒産件数は627件で、前月比では11.2%の減少、前年同月比でも9.9%減少し、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。業種別では7業種中、建設業や卸売業などの4業種で、また、地域別では9地域中、東北や北陸、四国などの7地域で、それぞれ前年同月に比べ減少した。
一方、負債総額は757億3800万円(前月1238億6600万円、前年同月1565億7200万円)となり、前月比は38.9%の減少、前年同月比でも51.6%減の大幅減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回り、2000年以降最小となった。これは、負債100億円以上の倒産が5ヵ月ぶりに発生せず、負債5000万円未満の倒産が約6割を占めたことによるもの。負債トップは、イーター電機工業(株)(東京都、破産)の54億3600万円。
業種別にみると、7業種中4業種で前年同月を下回った。このうち、建設業(100件、前年同月比17.4%減)は6ヵ月連続、卸売業(93件、同19.8%減)は3ヵ月連続の前年同月比減少。また、減少した4業種すべてで前年同月比二ケタの減少となった。一方、サービス業(149件、同4.9%増)は3ヵ月連続、不動産業(25件、同19.0%増)は2ヵ月連続の前年同月比増加となった。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は399件で、構成比は63.6%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が421件で構成比は67.1%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、製造業(36件、前年同月比16.3%減)、小売業(98件、同15.5%減)の2業種が前年同月比二ケタの減少となった。
地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を下回った。このうち、東北(17件、前年同月比58.5%減)は5ヵ月ぶり、北陸(14件、同12.5%減)、四国(14件、同22.2%減)は6ヵ月ぶりの前年同月比減少となった。一方、北海道(18件、同20.0%増)、中国(30件、同7.1%増)は前年同月を上回った。東北は、秋田県や福島県で卸売業、小売業などが前年同月を下回り、件数を押し下げた。
同倒産状況の概要は↓