平成の上場企業倒産は累計233件、負債は約22兆円

 東京商工リサーチが発表した上場企業倒産状況(速報値:12月28日12時現在)によると、1989年1月からの平成30年間の上場企業の倒産は、累計233件(負債合計21兆9087億500万円)だった。バブル真っ只中の1989年、90年は上場企業の倒産はなく、平成初の上場企業倒産は1991年(平成3年)8月に会社更生法を申請したリースマンション分譲の(株)マルコー(負債2777億4000万円、店頭上場)だった。

 ゼロ件でスタートした平成の上場企業倒産だったが、小泉内閣による金融機関の不良債権処理が打ち出された2002~03年は48件発生、第1次ピークを迎えた。そして、リーマン・ショックで世界同時不況に陥った2008~09年は53件が発生、第2次ピークとなった。その後、緩やかな景気回復を背景に上場企業の業績は急速に持ち直し、2010年の10件を最後に、2011年から二ケタを割り込んだ。

 上場企業の年間倒産の最多は、リーマン・ショックがあった2008年の33件。次いで、不良債権処理が進んだ2002年の29件、リーマン・ショック翌年の2009年の20件、イラク戦争開戦の2003年の19件の順だった。平成の30年間で負債額の最大は、2001年(平成13年)9月に民事再生法を申請した(後に会社更生法に移行)総合スーパーの(株)マイカル(東証・大証1部など5市場)で、負債は1兆6000億円だった。

次いで、2017年(平成29年)6月の自動車部品製造のタカタ(株)(負債1兆5024億円、民事再生法、東証1部)、1996年(平成8年)10月の住宅ローン保証の日榮ファイナンス(株)(同1兆円、商法整理、東証2部)、2000年(平成12年)5月の信販・クレジットカード業の(株)ライフ(同9663億円、会社更生法、東証・大証1部)、同年7月の百貨店の(株)そごう(同6891億円、民事再生法、東証1部)と続く。

産業別では、最多が戦後最大の製造業倒産となったタカタ(株)を含む製造業の66件、次いで、建設業39件、不動産業33件、金融・保険業25件、サービス業他21件、小売業18件、卸売業16件、情報通信業9件、運輸業5件、農・林・漁・鉱業1件の順。バブル崩壊後に先送りされた不良債権処理を要因とする建設業と不動産業、これに関連したノンバンクを含め、1997~98年の金融危機を経て整理が進んだ金融・保険業などが上位を占めた。

 この件は↓

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20181228_01.html