11月の倒産は706件、3ヵ月ぶりの前年同月比増加

 帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、11月の倒産件数は706件で、前月比では5.5%減少したものの、前年同月比では9.3%増加し、3ヵ月ぶりに前年同月を上回った。業種別では7業種中、製造業やサービス業などの5業種で、また、地域別では9地域中、東北や近畿などの7地域で、それぞれ前年同月に比べ増加した。

 一方、負債総額は1238億6600万円(前月1128億5600万円、前年同月1349億8300万円)となり、前月比は9.8%増となったものの、前年同月比では8.2%減となり、4ヵ月ぶりに前年同月を下回った。これは、負債100億円以上の倒産(1件)が4ヵ月連続で発生したものの、負債5000万円未満の倒産が約6割を占めたことによるもの。負債トップは、東京グリーン開発(株)(東京都、特別清算)の128億7200万円。

 業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を上回った。このうち、製造業(81件、前年同月比19.1%増)は8ヵ月ぶりの前年同月比増加。また、サービス業(173件)は前年同月比21.8%の大幅増となった。一方、建設業(125件、同11.3%減)など2業種は前年同月を下回った。サービス業は医療業(20件、前年同月4件)で増加が目立ち、なかでも鍼灸、マッサージ、整体、接骨などの治療院(15件、同2件)で大幅増となった。

 負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は428件で、構成比は60.6%を占め、依然として小規模倒産が大半を占める傾向が続いた。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満の合計が466件で構成比は66.0%と高水準で推移。負債5000万円未満の倒産では、サービス業(121件)が構成比28.3%(前年同月比2.0ポイント増)を占め最多。小売業(120件)が同28.0%(同2.7ポイント増)で続く。

 地域別にみると、9地域中7地域で前年同月を上回った。このうち、東北(38件、前年同月比81.0%増)は4ヵ月連続の前年同月比増加。また、近畿(186件、同15.5%増)は7ヵ月ぶりに前年同月を上回った。一方、北海道(16件、同33.3%減)、中国(24件、同25.0%減)の2地域は前年同月を下回った。東北は、復興需要の一巡などを背景に、建設業(10件、前年同月5件)で増加が目立つ。

 同倒産状況の概要は↓
http://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/1811.html