朝日大学マーケティング研究所が首都圏在住の男女を対象に実施した「店舗のリピート利用に関する調査」(有効回答数425人)によると、「なじみのお店・行きつけの店」の要件(複数回答)は、「利用頻度が高い」(66.4%)が突出した最上位となった。次いで、「会員証や会員カードを持っている」(34.1%)、「そのジャンルでは主にそのお店を利用し、他店はあまり利用しない」(33.6%)、「お店の雰囲気が自分に合っている」(30.8%)が続いた。
「知り合い」、「顔見知り」、「名前を憶えている」、「気の合う」など店主や店員との関係を要件とする項目よりも、「利用頻度」、「会員証、会員カード」、「お店の雰囲気」などの店舗との関係を要件とする項目のほうが上位だった。同研究所は、「なじみのお店・行きつけの店」となるためには、店主や店員が顧客の顔や名前を覚えることも大切だが、顧客がお店を何度も訪れたくなるような施策を考えるほうが、より効果的と分析している。
「なじみのお店・行きつけの店」であることにより、その店で購入しようとする気持ちが他店に比べて「強い」との回答は61.8%だった。「なじみのお店・行きつけの店」であることで購入意向や実際の購入回数が高まるメリットはみられたが、一方で、「あまり変わらない」との回答も少なくなかった。特に実際の購入回数では属性によるバラツキが大きく、なじみや行きつけであることの効果が相対的に弱い層(女60代や男30代)もみられた。
実際の購入回数が「多くなっている」お店をジャンル別でみると、「喫茶店、カフェ」(71.9%)、「居酒屋、飲み屋」(71.7%)、「自動車販売店」(71.4%)で7割以上と高い。これらは、「なじみのお店・行きつけの店」となるメリットが大きいジャンルだ。一方、「パン屋」(52.6%)、「クリーニング店」(53.7%)、「百貨店」(54.5%)は割合が低く、常連に浮気されやすい点で、「なじみのお店・行きつけの店」となるメリットが相対的に低い。
利用頻度が高いお店の店主や店員と親しくなることについて、「好ましいことだと思う」との回答は55.5%、「どちらともいえない」が29.9%、「好ましいことだとは思わない」が3.8%、「お店のジャンルによって異なる」が10.8%だった。「好ましい」の割合は、女性より男性のほうが高めで、特に男60代(68.9%)、男50代(65.1%)で高かった。一方、女性は男性と比べて、「お店のジャンルによって異なる」が高めで、慎重な傾向が強い。
同調査結果は↓
http://marketing.asahi-u.ac.jp/wordpress/wp-content/uploads/201810.pdf